カテゴリーアーカイブ: スーパーコピー時計
1位:パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド」
価格を度外視すれば、古典にならった真のグレインダイアル、薄型の新設計手巻きキャリバー、ストラップの質感まで含め、改めて振り返ってもっとも記憶に残っていたのが、本作だった。トータルバランスは、群を抜く。
パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド」Ref. PFC940-2010001-300181-JP
パルミジャーニ・フルリエ「トリック プティ・セコンド」Ref. PFC940-2010001-300181-JP
スーパーコピー代引き 優良サイト手巻き(Cal.780)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KRGケース(直径40.6mm、厚さ8.8mm)。709万5000円(税込み)。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
2位:ショパール「L.U.C XPS フォレストグリーン」
ノンデイトのセクターダイヤルで、マイクロローター式の薄型自動巻きを搭載──個人的な琴線にまさに触れた。おそらく戦略的であろう、値付けも好印象。ダイアルとストラップの色調も良く、オールマイティーに使える。
ショパール「L.U.C XPS フォレスト グリーン」Ref.168629-3001
ショパール「L.U.C XPS フォレスト グリーン」Ref.168629-3001
自動巻き(Cal.L.U.C 96.12-L)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ルーセントスティールケース(直径40mm、厚さ7.2mm)。30m防水。174万9000円(税込み)。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
3位:タカノ「シャトー・ヌーベル クロノメーター」
シャトーヌーベル・クロノメーター
タカノ「シャトーヌーベル・クロノメーター」Ref.PWT
自動巻き(Cal.90T)。24石。28800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径37mm)。3気圧防水。88万円(税込み)。(問)タカノ https://takanowatch.jp/
ブザンソン天文台クロノメーターを取得することで、日本の素晴らしい工業技術を世界に発信したいという心意気を買う。ザラツ研磨を前提とした二次曲面構成のケースデザインは、さすが浅岡肇氏らしく手抜かりがない。
4位:Naoya Hida & Co.「NH Type 5A」
“人気が出ない”と言われ続けてきたレクタンギュラーにあえて挑んだ意欲作。プゾー7001改の角型ムーブメントは、手巻きのしっかりとした感触が心地いい。2ピース構造のドーム型サファイア風防の出来栄えは、圧巻。
NAOYA HIDA & Co.「NH TYPE 5A」
NAOYA HIDA & Co.「NH TYPE 5A」
手巻き(Cal.2524SS)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(全長33mm、全幅26mm、厚さ9.1mm)。3気圧防水。330万円(税込み)。(問)NAOYA HIDA & Co. naoyahidawatch.com
5位:オーデマ ピゲ「リマスター 02」
発表直前に個人的に見せてもらった際、「今、予約できますよ」といわれ、思わず「買います」と返事しそうになった。クラシック好きだが、実はこうした時代のあだ花的なデザインも大好物。金と為替の相場が、憎い。
オーデマ ピゲ「リマスター02 オートマティック」
Photograph by Masahiro Okamura (CROSSOVER)
オーデマ ピゲ「リマスター02 オートマティック」
自動巻き(Cal.7129)。31石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約52時間。18Kサンドゴールドケース(横41mm、厚さ9.7mm)。3気圧防水。世界限定250本。682万円(税込み)。(問)オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000
総評
世界から軍靴の音はなかなか消えてくれないが、ほぼ完全に日常が戻ってきた今年、時計界も華やかで多様な時代に返り咲いた。セントラルトゥールビヨンを筆頭にユニークなコンプリケーションがいくつも散見でき、これらを支える腕利きのムーブメント会社が再注目された年であった。シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンといった非時計専業ブランドの、上質かつ独創的な時計製作も、彼らなしでは成しえなかった。またタイムオンリーウォッチも素材や質感、色に凝り、個性を競い合っていた。
中でもダイアルの色付けにPVDが多用されるようになったことで、色と質感のコントロールがたやすくなったことも、多様化を後押ししているのだろう。パテック フィリップの隠し玉「Cubitus」が10月に登場して話題をさらったものの、“ラグスポ”一辺倒からは脱却を果たし、上質なクラシックウォッチが台頭し始めてきたのは、個人的には喜ばしい傾向である。
そして多くのブランドが、より高級化を図っていた。金相場の高騰、円安のダブルパンチで日本での時計価格がますます高騰しているのは、致し方なし。そうした中で、クロノトウキョウや大塚ローテックのような、手ごろな価格で質が高く、オリジナリティー豊かな日本のマイクロメゾンに熱い視線が注がれている。11月に香港で行われたフィリップスのオークション「TOKI-刻-」での、日本勢の高額落札ラッシュも、記憶に新しい。これも多様化を象徴する、出来事である。
選者のプロフィール
髙木教雄
時計ジャーナリスト。工学部で培った知見と、圧倒的な取材経験によって裏付けされた原稿が魅力的な業界随一の理論派である。その豊富な知識と鋭い視点で切り込んでいく時計専門誌向けの記事から、一般誌での時計特集、新聞での初心者向け記事など、活躍のフィールドは幅広い。世界文化社から機械式時計の入門書、『腕時計のしくみ』『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』を上梓。
オメガの広報担当者が、人気のレディースモデルを対象におすすめを選ぶ
2023年よりオメガの広報担当者の協力の下、その年の人気モデルからおすすめを選んで紹介してもらう企画。2024年版の製作もかなったので、本記事で掲載する。
「スピードマスター」や「シーマスター」など、人気コレクションを多数展開するオメガ。アイコニックなデザインや高品質かつ高性能といった美点によって、これまで何本もの時計を所有してきた時計愛好家のみならず、初めて時計を購入する若年層まで、幅広いユーザーから指示されてきた。この幅広さは、ジェンダーを問わない人気にもつながっている。オメガは同一コレクションに複数のサイズや素材、意匠をバリエーションとして加えることで、あらゆる層のニーズに応えられる製品をラインナップしていることも、強みとしているのだ。
今回はそんなオメガの、レディースにカテゴライズされたモデルに焦点を当てる。2024年によく売れたレディースモデルを対象に、広報担当者が人気傾向を分析しつつ、4つのトピックスからおすすめを選んでもらった。また、この売上は日本国内で販売されたデータから、免税分を差し引いたものとなっている。
人気のレディースオメガを買うなら①マザー・オブ・パール文字盤が熱い
オメガ コンステレーション
オメガスーパーコピー Nランク代金引換専門店「コンステレーション」Ref.131.20.25.60.55.001(左)/Ref.131.20.25.60.55.002(右)
昨年版の本企画でも紹介した、マザー・オブ・パール文字盤の「コンステレーション」。ロゴの下にあしらわれた、コンステレーションの象徴でもある星がアクセントになっている。クォーツ(Cal.4061)。(左から)SS×18Kセドナゴールドケース、SS×18KYGケース(直径25mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。各96万8000円(税込み)。
昨年版でも話に上ったが、女性から圧倒的に人気が高いのは、コレクションを問わず「マザー・オブ・パール文字盤」なのだという。これは毎年の傾向であり、オメガに限らず定番品と言って良いかもしれない。広報担当者は「長年飽きずに愛用できるし、男性がパートナーへの贈り物としても選びやすいのでは」と分析していた。
オメガ レディース
オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.34.20.05.001
フランス語で「街」や「都会」を意味する「デ・ヴィル」。中でも1994年に誕生した「デ・ヴィル プレステージ」は、ベーシックで厚すぎないラウンドケースを基調としたエレガントなスタイルとモダンで洗練された印象を両立したコレクション。ビジネスにもパーティーなどといった特別なシーンにも身に着けられる腕時計だ。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。SSケース(直径34mm、厚さ10.1mm)。3気圧防水。77万円(税込み)。
ではマザー・オブ・パール文字盤を備えた人気モデルには何があるかと言うと、「コンステレーション」と「デ・ヴィル プレステージ」が挙げられた。なお、いずれのコレクションも2023年版の記事でもTOP5にランクインしている。
オメガはメンズ・レディース問わず、非常に幅広いバリエーションを展開している。そのため同一コレクションの中のマザー・オブ・パール文字盤であっても、素材やサイズ、ストラップに違いがあることもポイントだ。定番モデルでありながらも、自分の好みや使用シーンに合わせた1本が選べるのだ。
人気のレディースオメガを買うなら②“スピマス”人気に要注目!
オメガ スピードマスター 38
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.23.38.50.02.002
直径38mmケースを持った「スピードマスター 38」。ムーンウォッチをはじめとした他の「スピードマスター」コレクションと比べて、多彩なカラーリングが展開されている。なおインダイアルとカレンダーディスクの小窓の楕円型は、過去の「デ・ヴィル」に見られた仕様から着想を得ている。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SS×18Kセドナゴールドケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。116万6000円(税込み)。
2024年のレディースウォッチの人気傾向について、広報担当者も「驚かされた」というのが、女性からも“スピマス”こと「スピードマスター」が購入されていることだ。
スピードマスターは1957年に誕生したオメガのクロノグラフモデルだ。モータースポーツ向けに製造されるものの、1962年にNASAのマーキュリー計画で宇宙飛行士ウォルター・シラーが自身で所有する同モデルを着用したことや、1962年にNASAの公式装備品となり、その後1969年のアポロ11号計画で月面着陸を果たしてから、“ムーンウォッチ”の呼び名を獲得したことで知られている。
こういった歴史やツール感ある意匠によって、“スピマス”は男性に人気のオメガウォッチである。もっとも一口にスピードマスターとは言っても、そのバリエーションはオメガらしくさまざま。現行には直径38mmケースの小径モデルもラインナップされており、女性からは、そんなサイズ感が人気なのだという。
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.30.38.50.06.001
グレー文字盤を備えたスピードマスター 38。甘すぎず渋すぎず、女性の手元でさりげなく存在感を放ってくれる1本だ。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.30.38.50.03.002
「予防可能な失明をなくすこと」を目標に、世界の医療的辺境地で眼科治療と教育を行う非営利団体オービス・インターナショナル。オメガは2011年からこの団体を支援しており、売上金の一部を同組織に寄付するためのオービス記念モデルを打ち出している。本作は、2017年に登場した、その記念モデルである。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
「女性にケース径38mmは大きくない?」と思われるかもしれない。しかし以前、直径42mmサイズの「シーマスター ダイバー300M パリ2024」や38mm径の「シーマスター アクアテラ シェード」を着用した女性の筆者(手首回りは14.7cm)の経験談から述べると、オメガの腕時計はケース全長がコンパクトでラグも長すぎないので、数値と反して細い手首回りでも着用しやすい。普段30mm径以下のサイズを着けているといった女性にとっては大きいと感じるかもしれないが、意外と取り回しやすいので、一度手首に載せてみてほしい。
オメガ スピードマスター
オメガ「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」Ref.311.93.44.51.04.002
宇宙飛行士たちが見た月の裏側をイメージさせる「スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン」。そのバリエーションとして、「地球から見える月の輝き」を着想減としたのが、この「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」だ。自動巻き(cal.OMEGA9300)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ60時間。セラミックケース(直径44.25mm)。50m防水。196万9000円(税込み)。
今回の取材でさらに驚かされたのが、44.25mm径の「スピードマスター ホワイト サイド オブ ザ ムーン」も、女性からの人気コレクションとして上位にランクインしているということだ。直径44.25mmケースは、男性でも大きい。しかし全長の短さやセラミックス製であるがゆえの軽量さなどが相まって、実機を触ってみると、女性でも身に着けやすいことをうかがわせる。ちなみに今回取材した広報担当者も女性で、このホワイトがまぶしい“スピマス”を着けており、かなりカッコイイ。
人気のレディースオメガを買うなら③ニュアンスカラー文字盤も熱いぞ
オメガ レディース
オメガ「コンステレーション」Ref. 131.10.28.60.60.002
2022年から展開されるラベンダー文字盤。このモデルがリリースされた際に登場した、ピンク文字盤やブルー文字盤のモデルもかわいくてオススメ。クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径28mm、厚さ8.5mm)。3気圧防水。61万6000円(税込み)。
マザー・オブ・パール文字盤が例年人気ということはすでに記した。もうひとつ、レディースオメガで注目を集めているのが、さまざまなニュアンスカラーを備えた文字盤だ。
近年の時計業界では、外装の質という点で競争が激化している。そんな競争のひとつに、文字盤の多様化がある。とりわけカラーの自由度が増しており、かつてはブラックやホワイトといった単色がメインだったこのキャンバスは、今やパステルカラーを備えたり、グラデーションを表現したりといった、多彩な顔を見せるに至っている。
そんな中でオメガもまた、このキャンバス上に独自の優美な世界を描いている。もともとバリエーションの豊富な同ブランドというだけあり、近年の文字盤カラーの豊富さは時計業界で群を抜いている。
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.28.60.10.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径27.5mm、厚さ6.3mm)。3気圧防水。46万2000円(税込み)。
(中央)オメガ「コンステレーション」Ref.131.10.28.60.60.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径28mm、厚さ8.5mm)。3気圧防水。61万6000円(税込み)。
(右)オメガ「シーマスター アクアテラ シェード」Ref.220.10.34.20.10.001
自動巻き(Cal.8800)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径34mm、厚さ11.9mm)。15気圧防水。102万3000円(税込み)。
「例えば同じ青であっても、モデルによって文字盤色の呼び名が異なるんですよ。だって、トーンが同じではないから」とは今回取材した広報担当者の言葉で、確かに同じグリーンでも、例えば上に掲載したモデルでは左から“パイングリーン”“マッチャグリーン”“ラグーングリーン”などといった名称が付いている。
そんな多彩な文字盤を持ったモデルの中で、女性に人気が高いのが最初に紹介した「コンステレーション」のラベンダー文字盤だ。ちなみに昨年版の本企画で、第3位として紹介している。一番人気のマザー・オブ・パールの中に、このモデルが売上上位として食い込んでくるのだ。
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.28.60.09.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径27.5mm、厚さ6.3mm)。3気圧防水。46万2000円(税込み)。
(右)オメガ「シーマスター アクアテラ シェード」Ref.220.10.34.20.09.001
自動巻き(Cal.8800)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径34mm、厚さ11.9mm)。15気圧防水。102万3000円(税込み)。
続いて人気なのはベージュ系だ。ベージュもまた“リネン”や“サンドストーン”などの呼び名があるのが面白い。このベージュ系には、「スピードマスター 38」のカプチーノ文字盤も並んでいる。その次に人気なのが、グリーン系だ。
さまざまなモデルの名前が挙がった中で、広報担当者に一番のオススメを聞いてみると、「デ・ヴィル プレステージ」のいずれかとの回答。「リニューアルしてから文字盤すごく凝っているのに、手頃な価格や、機械式時計なのに34mm径に抑えられたケース」が、推しの理由とのことだ。確かに高級腕時計の価格が上昇し続ける昨今、50万円以下という価格設定はありがたい。
人気のレディースオメガを買うなら④i18Kイエローゴールドの人気が復活
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.20.28.60.05.001
クォーツ(Cal.4061)。SS×18KYGケース(直径27.5mm、厚さ7.2mm)。3気圧防水。96万8000円(税込み)。
(右)オメガ「コンステレーション」Ref.131.25.25.60.55.002
クォーツ(Cal.4061)。SS×18KYGケース(直径28mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。140万8000円(税込み)。
定量的にデータを取ったわけではないものの、女性に人気のカラーゴールドというと、ピンクやレッドゴールドのイメージがある。店頭に並ぶレディースの時計やジュエリーを見てみても、その様相がうかがえる。
しかし2024年のレディースオメガは、18Kイエローゴールド素材が18Kセドナゴールド素材と同等の人気を見せたのだと聞いて、驚かされた。
セドナゴールドはオメガ独自のカラーゴールド合金で、レッドゴールドのような赤みを帯びつつ、経年変化に強いという特性を持つ。ちなみにセドナは太陽系の中で最も赤い小惑星から名前を由来している。従来、レディースに人気というと18Kセドナゴールドモデルが圧倒的であった。しかし昨年は、ここにイエローゴールドも並んできているというのだ。
いかにも金無垢といった発色のイエローゴールドは、ともすれば派手にもなりがちだ。しかしオメガの作り込まれた高級感ある外装にこの素材を添えることで、エレガンスの中に華やかさが生まれている。そんな調和のとれたラグジュアリー感は、大人の女性の手元をいっそう輝かせる。
時計の世界も「多様化」が進む昨今、これまでの装いとは違った1本を選ぼうとした時、こんな瀟洒なモデルは好適ではないだろうか?
時計専門誌『クロノス日本版』編集部のメンバーが数日間着用のうえ、勝手に討論する。討論は本作の外装レベルから感触、機能、ついにはカシオ製品内でのポジショニングやコレクションの将来性にまで及んだ。本作の何が、編集部をここまで熱くさせたのか? 討論会のメンバーは編集長の広田雅将、副編集長の鈴木幸也、編集部の細田雄人、そして文字起こし要員の鶴岡智恵子で行った。
G-SHOCK「MTG-B2000YBD-2AJF」
タフソーラー。フル充電時約29カ月駆動(パワーセーブ時)。SS×カーボンファイバー強化樹脂ケース(縦55.1×横49.8mm、厚さ15.9mm)。20気圧防水。18万1500円(税込み)。
村山千太:写真
Photographs by Senta Murayama
鶴岡智恵子(クロノス日本版):文
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年5月9日公開記事]
G-SHOCKの2025年新作「MTG-B2000YBD-2AJF」を編集部で討論
細田「今回のモデルは、ステンレススティールを使ったG-SHOCK『MT-G』シリーズのセイコー スーパーコピー新作『MTG-B2000YBD-2AJF』です。MT-Gの2000系自体は定番モデルですよね。MT-Gの第3世代ですかね。カーボンコンポジットとステンレススティールの合わせ技のモデルです。昔、弊社の名畑さんが取材して、このシリーズのケース構造などを詳しく記事にしているので、
鈴木「耳の部分、いわゆるミドルケースはカーボンモノコックが外側に出てるってこと?」
細田「そうです。元々のMT-Gって、SSのケースバックとベゼルに対してインナーケースがあって、それをケースバックとベゼルで挟み込む形にしていたんですけど、MTG-B2000ではSSのフレームの中にカーボンモノコックケースを入れ込んで上からベゼルで抑えるという構造になってるんです。だからケースバックも、カーボンモノコックです」
前掲した「MTG-B2000」の開発者インタビューを行った記事に掲載されている、初代「MTG-S1000」(左)と「MTG-B1000」(右)のケースの写真。
MTG-B2000のケース構造。ベゼル、カーボンモノコックケース、ミドルケース(メタルカーゴフレーム)で構成されている。
鈴木「やっぱり、見えてる部分がカーボンモノコックなんだね。ケースバックからこの両側の耳の部分」
細田「そうです、そうです。で、MTG-B2000の中でもバリエーションがあって、今回皆さんに着けてもらったモデルはレギュラーのMTG-B2000YBDになります。純粋なカーボンコンポジットになっているだけじゃなくて、さらにブルーグラスファイバーシートで模様が出るようにしています。何のグラスファイバーなんだろう? とにかく、カーボンとグラスファイバーの合わせ技になっています」
鈴木「このグラスファイバーって厚いの? これで強度が出るの?」
細田「単純に意匠だと思います。オールカーボンのモデルもありますしね」
鈴木「デザインは面白いよね。カーボンの編み込みもあれば、層になってるものもあって。凝ってるなと思いました」
MTG-B2000YBD-2AJF
ケースサイド9時側から撮影したカット。カーボンモノコックケースにグラスファイバーによる装飾が施されている。なお、ベゼルやプッシュボタンはステンレススティール製だが、ブルーグレーIPがあしらわれており、ブラックIP加工のブレスレットとコントラストを成している。
見た目の高級感とギャップのある軽快さ
鈴木「あと、とても軽い。(SS製だが)一瞬チタン製かと思ったくらい。実際着けるとメタルな、重厚な見た目だから、より軽く感じて、その点がすごく印象に残りました」
広田「高級感もうまくなりましたよね。カシオは、ようやく『分かりやすい高級感』が出てきたと思います。具体的にはケースの仕上げ。ラグジュアリースポーツウォッチが良い例ですが、最近のお約束として、ポリッシュとサテンの仕上げを併用して高級感を出す手法があります。カシオは、かつて全面ポリッシュ仕上げという古い手法をやっていました。これは作るの大変なんだけど、ユーザーにとって分かりやすい高級感は出しにくいというのがあって、そういうのを現在のMT-Gが学んできたなというのはありますよね」
鈴木「確かに20年以上前、全面ポリッシュでSSに高級感を感じた時代はありましたよね」
細田「僕はいまだに、ブライトリングであった全面ポリッシュしたモデル、すごく良いと思いますよ」
鈴木「あれはSSの塊感に対してのポリッシュという意外性もあって、今見てもかっこいいよね。ブレゲの昔の『タイプXX』も、全面かは覚えてないけど、“ポリポリ”だったよね。自分も結構好きだけど、広田さんが言ったように、仕上げのコンビネーションによってかっこいい、立体感がある、高級感があるという表現は、“ラグスポ”と共通する巧みさを感じるよね」
広田「今の高級時計って、立体感を強調するのを重視してますからね。ポリッシュとサテン仕上げの併用というアプローチが、カシオも成熟してきた。ただ、ブレスレットのコマ同士を、少しずらせばピンが見えるところまでクリアランスを残してるっていうのは、もう少し詰められるかなと」
MTG-B2000YBD-2AJF
サテン仕上げを基調としつつ、ポリッシュ仕上げも与えることで、高級感をまとうMT-G。しかし細部には、編集部メンバーが気になる点も……?
一同、ブレスレットは「もう少し詰めてほしい」
細田「ブレスレットもSSですが、コマが中空になっていて、その中空の部分に樹脂製のパネルをはめ込む形になっています」
鈴木「ああ、この裏側?」
細田「はい。この構造は軽量化のためです。腕時計の重量は、カタログ値では131gなんですけど、(ブレスレット調整で)コマを外した今の状態では125gでした」
鈴木「ブレスの裏側に樹脂がはめ込まれているのは、(軽量化だけではなく)肌に金属が直接当たらないという点でも良いよね。隙間もできるから、汗をかいた場合にも蒸れない、良い仕様なんじゃないかな」
細田「アレルギーとかは出にくくなりますよね。ちなみに抜けているコマは、削り出しではなくMIM(金属粉末射出成形)で作っています」
鈴木「複雑な形状は型があれば作りやすいから、それは合理的だね」
細田「実はカシオは、MIMを最初に使った時、精度が高いものが作れなくて一回取り止めているんですよね。ただ、このシリーズのMTG-B2000という新世代が出るタイミングで、MIMの精度が上がったこともあり、復活しました。ちなみに昔は軽量化のために、コマに結構穴とか開けていたんですけどそういったこともなくなって、見た目的にスマートになりましたね」
MTG-B2000YBD-2AJF
ブルーのパーツが軽量化のためにはめ込まれたファインレジン。ちなみにブレスレットのエンドピース裏側に見えるつまみは、ブレスレットの着脱を容易にするためのダブルスライドレバーだ。
鈴木「広田さんの言うように、ブレスレットはもう少し詰めてほしいけど、ここを詰めると価格が上がりそうだよね。ただ、もう少し高くなっても良いかな。見た目の高級感に対しての軽さのギャップというのは非常に意外性があって面白い時計だと思うけど、率直に言うと、最初に手に持って着けた時、ブレスレットがカチャカチャするのが残念だった」
鶴岡「なぜですか?」
鈴木「どうしても安っぽく感じるよね。チタンも軽いけど、こんなカチャカチャしないし……MIMで中空に抜かれてる部分がカチャカチャ鳴るのかな? 無垢材を使ったSSのブレスであってもカチャカチャするものが昔はあって、ただそれを各社は直してきた。そう考えると、この感触は高級機にはふさわしくないかな」
細田「そうですね、カシオは『重厚感』っていう表現をブレスレットに使っているけど、重厚感はカチャカチャとは合わないですよね」
鈴木「見た目、質感の重厚感は出てるけどね。まぁ軽さを追求しているから仕方ない部分もあるけど、音はどうにかしてほしいかな」
細田「コマ同士の遊びは減らしても良いかもしれませんね」
鶴岡「この遊びって、耐衝撃性のためなんじゃないんですか?」
広田「G-SHOCKは耐衝撃性を上げるため、部品同士のクリアランスをとるというのは前提としてあります。つまり、高級時計としてのハンデが大きいんですよね」
鈴木「高級感とは相反しちゃうよね。難しいポイントですね」
細田「軽量だし、デュアルコアガード構造によってカーボンモノコックケースでモジュールを包んで中空構造にしているという点で耐衝撃性はクリアしていると思うので、ブレスレットのクリアランスをもっと詰めるのは(耐衝撃性としては)問題ないとも思いますが、どうでしょうか?」
広田「G-SHOCKは、ブレスレットも含めての耐衝撃性なんですよね。ブレスレットは衝撃に弱いから、部品同士のクリアランスを持たせるというアプローチを取ってきたけど、まだ詰められる」
細田「例えば、ジラール・ペルゴの『キャスケット』はセラミックスで製造されているけど、コマは詰めてるんですよ。ブレスレットもセラミックスだから当然ぶつかれば割れますよね。だからMT-Gと同じくブレスレットの裏側に樹脂製の素材を貼っていたんですけど、その樹脂が弾性があって。この仕様だと衝撃を吸収するし、コマ同士が当たった時に音が鳴りません。MT-Gも、弾性のある樹脂素材を検討しても良いんじゃないかな」
ジラール・ペルゴ キャスケット
ジラール・ペルゴ「キャスケット 2.0」Ref.39800-32-001-32A
2022年に発表されたキャスケット。ちなみに2024年発表モデルはチタン製だが、やはりブレスレットの裏側に弾力のある樹脂が貼られていた。クォーツ(Cal.GP03980)。セラミックス×Tiケース(縦42.4×横33.6mm、厚さ14.64mm)。50m防水。世界限定820本。完売。
MT-Gの「難しさ」
細田「チタン製のMR-Gはカチャカチャ鳴りませんが、MR-Gがあるから、MT-Gではチタンを使いにくいんでしょうね」
鈴木「MR-Gは、チタンの仕上げレベルが高くなってるしね。その点で差別化しているのは良いと思います。ただ18万1500円(税込み)という価格を考えると、見た目の重厚感や高級感を出せているだけに、手に持った時に(カチャカチャ音が鳴るのが)もったいないなと思いました。普段から高級時計を着けてる人って、見た目以上に感触を大事にしているし、そうするとMT-GよりMR-Gの方に流れちゃうかもね」
細田「MR-Gが伸びてる中で、MT-Gって立ち位置が難しいコレクションになりつつあるかな、と。高級時計を購入してきた人の普段使い用としてはMR-Gが選択しやすいだろうし、じゃあMT-Gはライトな層を狙おうってなった時、ライトユーザーが18万円以上のお金を出して時計を買うって、結構冒険だし……『フルメタル』シリーズがアンダー10万円で買えるというのも、ライトユーザーをターゲットにした時に難しい問題になりますね」
鈴木「だからこそ、カーボンモノコックケースを使っていたり、グラスファイバーを使って意匠で凝っていたりといった点はとても評価できるよね」
文字盤からも分かる高級感
細田「あと、毎度の話ですが、文字盤の質感も良いですよね。現在、さまざまな手法のソーラー発電がありますけど、このモデルは王道のポリカーボネートで、文字盤下のソーラーセルまで光を通すという典型的なもの。にもかかわらずプラスティック感が出ないようにというのは相変わらずカシオはうまいなと。ちなみに時間の見やすさは、いかがでしたか?」
鈴木「アナログだから直感的に時刻が分かるし、針も太いしインデックスも太くて立体的に見せてるから、斜めから見ても時間を読み取りやすくて、そこは問題なかった。ところで、風防にコーティングってされてるの?」
細田「内面にされています」
鈴木「そうなんだ。コーティングされている割には、斜めから文字盤を見た時、光ってしまって時間が分かりにくかったんだよね。特に強い光源だと、時間を見にくかった」
細田「ダイヤモンドカットされたインデックスが、そのあたりのキラキラ感を強調しますしね」
広田「MR-GもMT-Gも、早い段階からクォーツに太い針を載せようとしてきました。僕の知ってる限りで言うと、国産ブランドの中で、クォーツの針を太くして視認性を上げるというのは、カシオのプロトレックがいち早くやってる。(クォーツはトルクが弱いので)薄く、軽くして、面積を増やすという手法です。G-SHOCKのマッシブなデザインに合うようにしているんです」
鈴木「視認性や存在感は、他の高級時計に負けてないですよね。G-SHOCKのアナログって言うと、『AW-500』があるじゃないですか。あの頃から針は太かった。頑張ってますね」
「AW-500」は、1989年にG-SHOCK初のアナログ・デジタルのコンビネーションモデルとして誕生した。写真左がオリジナルのAW-500で、右は2020年に復刻した「AW-500E-1EJF」。どちらも完売。
広田「カシオはアナログ技術を持たなかったと言われているけど、いやいやそんなことはないぞ、と。少なくとも、トルクの弱いクォーツで太い針を回すという点では、良いことをやってきた。MT-GとかMR-Gなどの高価格帯でも、他社の高級時計と引けを取らないものを作れる理由はそこかなと。針は薄いから、理論上はたわむんだけど、多分たわんでも耐衝撃性として問題ないレベルにしているのもすごい」
鈴木「(文字盤と針との間に)十分に余白を取ってますよね。立体感を与えることで、クリアランスを気にならなくしている点も上手。インデックス、針、そして文字盤と針の間の余白を含めた立体感として、表現につなげている。耐衝撃性を持たせるために、針がたわんでも問題ないくらいのスペースを取りつつ、それが同時に審美性になっている」
ロレックスは、18Kホワイトゴールド製のオイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナに2本の新作を投入した。ひとつはホワイトマザー・オブ・パール(MOP)文字盤にオイスターフレックスブレスレット、もうひとつはブラックのMOP文字盤にオイスターブレスレットをセットしており、どちらもコントラストを反転させたMOPのインダイヤルと36個のブリリアントカットダイヤモンドをセットしたベゼルを備えている。ジェムセッティングを施した、栄光のデイトナの復活に乾杯。今回は、エキゾチックな先行モデルよりも少し控えめな印象だ。
MOP Daytona
オイスターフレックスのブレスレットを装着したバージョンは、ロレックスコピー 時計代金引換激安通販優良店ホワイトのMOP文字盤にブラックのMOPクロノグラフカウンターを備えている。この色の組み合わせは、オイスターブレスレットを装着したもうひとつのバージョンでは逆になる。つまり、ブラックのMOP文字盤に、ホワイトのMOPカウンターだ。タキメータースケールはダイヤモンドに置き換えられ、文字盤には8つのダイヤモンドと3つのクロマライト(夜光)インデックス、そしてもちろん12時位置にはコロネット(王冠)がセットされている。今作ではオイスターフレックスブレスにもロレックスのグライドロックが取り付けられていて、約2.5mm間隔のノッチが6つあり、ブレスレットの長さを約15mmまで簡単に調整することができる。
MOP Daytona
コスモグラフ デイトナには自動巻きのCal.4131(昨年発表)が搭載されており、このムーブメントはロレックスのコート・ド・ジュネーブ装飾が施されたブリッジと、カットアウトされたローターを特徴としている。Cal.4131は時・分・秒の表示に加え、クロノグラフ機能によって経過時間の基本的な計測が可能だ。パワーリザーブは最長で約72時間となっている。
我々の考え
時計の世界では、ジェムセッティングを施したデイトナがもてはやされている。そういえば、私が初めて覚えたロレックスの型番がRef.6269かRef.6270だったので、私もジェムセットデイトナ愛好家リストの上位に入るかもしれない。レインボーにレオパード、タイガーアイなどの文字盤は、大胆で勇敢な(そしてごく少数派の)私たちのために用意されたものだと思っているが、このMOP文字盤、ダイヤモンドセットの新作は、より控えめな種類のジュエリーと時計のハイブリッド的な存在のように感じられる。ロレックスはスポーツウォッチを宝石で飾る名手だ。モータースポーツの世界観と密接にリンクしたこの宝石たちは90年代のやんちゃな時代を彷彿とさせるが、ロレックスのスポーツウォッチにおける永遠のシンボルでもある。
MOP Daytona
基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: デイトナ(Daytona)
型番: 126589RBR(ホワイトMOP文字盤)、126579RBR(ブラックMOP文字盤)
直径: 40mm
ケース素材: 18Kホワイトゴールド
文字盤色: ブラック&ホワイトのMOP
インデックス: ダイヤモンド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: グライドロック付きオイスターフレックスブレスレット、オイスターブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: 4131
機能: 時・分表示、サブセコンド、クロノグラフ(12時間計&30分積算計)
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 47
クロノメーター認定: ロレックス独自の高精度クロノメーター
Daytona Movement
価格 & 発売時期
価格: ホワイトMOP文字盤は885万8300円、ブラックMOP文字盤は1010万3500円(ともに税込)
パテックのウェブサイトに“価格はお問い合わせください”と表示されなくなったことで、グランドマスター・チャイムを手に入れるために何年(または何十年)貯金が必要か、ついに明らかになった。
好奇心旺盛な時計愛好家を惑わせる言葉がある…“価格要問い合わせ”だ。この言葉は現在至るところで見られ、A.ランゲ&ゾーネ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンなどのブランドは多くの大規模なリリースに対して、価格の代わりにこのフレーズをウェブページに掲載している。一部のブランド、例えばオーデマ ピゲはこの偽装をあっさりと解き明かしてくれる(価格を尋ねれば教えてくれる)一方で、ほかのブランドはその情報を隠していることが多い。しばしば価格にアクセスできる顧客に頼らなければならないが、それでも結果が得られる保証はない。
パテックフィリップ時計コピー 代引き、どうやらこの曖昧な対応に終止符を打ったようである。数週間前、ブランドがこれまで“価格はお問い合わせください”としていた、グランドコンプリケーションウォッチ(チャイムピースを含む)の価格を公表し始めたのだ。私のように<ここに驚くほど複雑なパテックのリファレンスが入る>の価格がいくらか気になったことがあるなら、実用的な理由はなくてもただ見て驚くだけのために、これ以上疑問を持つ必要はない。
Patek Philippe ref. 6300/403G Grandmaster Chime Haute Joaillerie
パテック フィリップ Ref.6300/403G。グランドマスター・チャイム・ハイジュエリー
すべてのモデルを紹介するつもりはない。詳細はパテックのウェブサイトで確認できる。今回はいくつかのハイライトに触れたいと思う。それでは、現在のラインナップで最も高価なモデル、パテック フィリップ Ref.6300/403G グランドマスター・チャイム・ハイジュエリーから始めよう。この時計は20の複雑機構、118個のバゲットカットエメラルド(7.87カラット)、291個のバゲットカットダイヤモンド(20.54カラット)を備えている。その価格は驚異の7億2766万円(税込)である。
Aquanaut Luce Rainbow
アクアノート・ルーチェ“レインボー”ミニット・リピーター・ハイジュエリー
6300の別バージョン(税込で6億8792万円のサファイアバージョン、6億6927万円のダイヤモンドモデル、4億7350万円の“ベーシック”なグランドマスター・チャイム)を除いて、次に高価なモデルは手彫りのグラン・フー ブラウンエナメル文字盤を持つRef.6002 スカイムーン・トゥールビヨン(税込で2億7519万円)ではない。実際はアクアノート・ルーチェ“レインボー”ミニット・リピーター・ハイジュエリー Ref.5260/1455Rで、その価格は圧巻の4億7105万円(税込)である。
Patek 5531G
パテック フィリップ 5531G。
その結果、1億5633万円(税込)するスモークサファイア文字盤のRef.5316/50P(ミニッツリピーター、トゥールビヨン、レトログレードデイト表示とムーンフェイズを備えた永久カレンダーを搭載)が非常にお得に感じるようになった。同様にクロワゾネのグラン・フー エナメルを施したRef.5531Gのワールドタイム・ミニット・リピーターは、1億914万円(税込)とさらに“手頃”な価格である。最高価格の多くが宝石のセットによって影響を受けているようだ。例えば永久カレンダーとカテドラルゴングのミニッツリピーターを搭載したRef.5374Gは、1億1865万円(税込)である。同じムーブメントを持ちながら、プラチナケースに228個のバゲットカットダイヤモンド(11.62カラット)と13個のバゲットカットサファイア(0.72カラット)をセットした場合、その価格は1億8935万円(税込)、つまり約7000万円も高くなる。このリストはまだまだ続き、パテック フィリップのウェブサイトでお気に入りのリファレンスをチェックすることができる。
5374G
Ref.5374G
5374P
それとRef.5374Pの違いは? 約7000万円だ。
非常に具体的な価格設定(千円単位)について興味があるなら、それは為替レートが一部関係している。週末、あるヨーロッパの正規代理店と話をしたところ、パテック フィリップは以前、これらの時計の価格をスイスフランで設定していたという。為替レートによっては、ある日の顧客が木曜日に数万ドル多く支払う一方、火曜日には少なく支払う(あるいはパテックが不利な為替レートで損失を被る)こともあった。このため、オーデマ ピゲのようなブランドは依然として最も高価な製品の価格をスイスフランでのみ設定している。現在、価格は表示されている通貨に固定されているようだ。そう、これらの時計(およびその価格)は、普通の人間にはほとんど手の届かないものである。それこそが、価格の透明性をより一層興味深いものにしていると思うのだ。