より薄く、よりシャープに。新旧「プラネットオーシャン 600m」徹底比較

オメガ(OMEGA)のプロフェッショナル・ダイバーズウォッチ、「プラネットオーシャン 600m(シーマスター プラネットオーシャン)」が、ついにフルモデルチェンジを果たしました。
2005年の初代登場から数え、今回がいよいよ第4世代の到着です。今回は単なるマイナーチェンジではなく、サイズ感、デザイン言語、そして機能面に至るまで、全方位的な進化を遂げています。
それでは、従来モデル(第3世代)と最新モデルを並べて、その変化を詳しく見ていきましょう。
サイズの逆転:小型化と薄型化の達成
まずは腕元にのせたときの印象が最も変わる「サイズ」から。
最新モデル(第4世代): 42mm径 × 13.79mm厚
従来モデル(第3世代): 43mm径 × 16.1mm厚
単純な数字の差は1mmと1mm弱ですが、実際の装着感はこの数値以上に大きく異なります。直径を1mm絞りつつ、厚みを実に2.3mmも削減。これにより、最新モデルは従来よりもずっと軽快で、手首へのフィット感が格段に向上しています。
近年のラグジュアリースポーツウォッチ界隈では「適正サイズ化」の流れがありますが、オメガもこのトレンドに見事応えた形です。13.79mmという厚さは、多くの「300m防水」モデルと遜色ないレベルであり、ダイバーズウォッチとしての存在感を保ちつつ、ラグジュアリー感も高めています。
デザイン哲学の変化:丸みからシャープへ
次に目を引くのが、ケースデザインの造形美です。
従来モデル: 全体的に滑らかで丸みを帯びたフォルム。力強さはありましたが、ややボリューム感が強すぎる印象も否めませんでした。
最新モデル: 1980~90年代のオメガに見られる「マルチファンロン(多角形)」のデザイン言語を復活。ケースやブレスレットに大胆なファセット(切子面)を施し、光の反射を活かしたシャープな印象に生まれ変わりました。
また、ブレスレットとケースの一体化がさらに進み、時計全体が手首に吸い付くような造りになっています。これはまさに現代の「ラグジュアリースポーツウォッチ」の王道をいくデザインといえるでしょう。
機能と構造の進化:排気弁の消滅と無历化
ダイバーズウォッチにとって「構造」は命。ここにも大きな変化がありました。
1. 排氦バルブの撤去
水中での安全性を高めるためのパーツ「排氦バルブ」。最新モデルでは、ケースの耐圧構造の技術進歩により、このバルブが不要となりました。
メリット: ケースサイドがすっきりして対称性が増し、デザイン的にも美しく、引っかかりも少なくなりました。
2. 「無历(ムレキ)」デザインの採用
従来モデルは3時位置に日付窓(历)がありましたが、最新モデルではそれが完全に撤去されています。
メリット: 3時位置のインデックスが独立し、視認性が向上。また、日付窓周りの反射がなくなることで、文字盤全体のコントラストがより鮮明になります。
トレンド: この「無历化」は去年の「シーマスター 300m」に続き、オメガが今後推し進めていく方向性と言えるでしょう。
3. リューズガードの強化
ケースサイドには、意匠的にも美しいリューズガード(王冠保護)が新たに設けられています。これは衝撃からリューズを守るだけでなく、海馬300mや6000m級のプロフェッショナルモデルとのデザイン統一性をもたらしています。
ベゼルデザイン:「クォーターオレンジ」の行方
プラネットオーシャン 600mのファンが最も気にするポイントの一つが、ベゼルのカラーリングです。
従来モデルでは、0~15分の目盛をオレンジ色にした「クォーターオレンジ」が、視認性と美しさの象徴でした。
最新モデルの対応: 今回のリリースでは「クォーターオレンジ」はラインナップされていませんが、純粋なオレンジセラミックベゼルが用意されています。
視認性: ケース径が小さくなり、ベゼル面積が相対的に大きくなったため、オレンジ色の存在感はむしろ増しており、水中での15分間の残り時間の把握はより容易になっています。
裏蓋と機械:至臻天文台の本領
裏蓋は従来通りの実心底蓋ですが、シリーズ象徴である「ヘビクロコ(海馬)」のエンボスが施されています。
内部には、オメガ自慢のキャリバー 8912(デュアルトーブ)が搭載。シリコン製遊丝を備えたこのムーブメントは、15,000ガウスもの強力な磁場にも耐える「至臻天文台(Master Chronometer)」認定を取得しています。
性能: 振動数 25,200振動/時
動力貯蔵: 約60時間
機械的な信頼性と、パワーリザーブの長さも、最新モデルの大きな魅力です。
総括:時代を超えた進化
今回の第4世代「プラネットオーシャン 600m」は、単に「小さくした」だけのモデルチェンジではありません。
装着感: 厚みを約2.3mm削減し、ラグジュアリー感を増加。
デザイン: 80-90年代のDNAを現代的に蘇らせ、シャープな印象に。
機能: 排気弁不要化と無历化により、構造的な美しさを追求。
「ダイバーズウォッチは重厚感が命」という固定概念を覆す、この「軽快さ」と「シャープさ」。オメガは確実に、新たな時代の扉を開けたと言えるでしょう。

緑盤人気の理由:ビジネスシーンでも映える、失敗しない正装時計3選

今年の時計界では、”グリーンダイヤル(緑盤)”の勢いが止まりません。そのクラシックで飽きのこないデザインは、季節を問わず腕元を華やかにしてくれます。グラデーションでエレガントに見えるもの、深みのある色合いで大人の雰囲気を演出するもの、スモーキーな質感で控えめな魅力を放つもの。さまざまな緑盤の中から、ビジネスシーンやカジュアルシーンで活躍するおすすめの3本をご紹介します。
ロンジン(Longines) クラシック・レトロ(Classic Revival) L1.650.4.02.6
ケース径:40mm
厚さ:10.8mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー L888)
ケース素材:ステンレススチール
防水性能:50m
おすすめポイント
先月新発表されたこのモデルは、歴史的なアンティークモデルを復刻しつつ、現代の製表技術を融合させた一品です。文字盤はアーチ状のグリーングラデーションに、サンレイ仕上げが施されています。立体的なローズゴールドのインデックスと、それに呼応するローズゴールドの針が美しく映え、高級感が漂います。
ムーブメントはロンジンおなじみの「L888」を搭載。振動数は25,200振動/時で、単結晶シリコン製の遊丝を備え、動力は72時間と長時間保ちます。40mm径×10.8mm厚のケースサイズは、正装時計として理想的な黄金比。スーツからタートルネックのジャケットまで、幅広い装いにスマートにマッチします。
タグ・ホイヤー(TAG Heuer) カレラ(Carrera) WDA2115.BA0043
ケース径:41mm
厚さ:12.6mm
ムーブメント:自動巻き(キャリバー TH31-02)
ケース素材:ステンレススチール
防水性能:100m
おすすめポイント
こちらも先月発表されたカレラシリーズの新作で、文字盤のグリーンは深く濃密な色合いが特徴で、これから訪れるクリスマスなどのホリデーシーズンの雰囲気にぴったりです。3時位置には「デイト&デイ」表示窓を備え、ビジネスマンにとって非常に実用的な機能です。
41mm径×12.6mm厚のサイズ感は、週末のカジュアルシーンでも、袖口を締めても違和感のない着け心地です。ムーブメントはカレラの定番である「TH31-02」を継続採用。動力が80時間と長く、メンテナンスがしやすいのも魅力の一つです。
ボーム&メルシエ(Baume & Mercier) クリプトン(Clifton) MOA10592
ケース径:40mm
厚さ:11.3mm
ムーブメント:自動巻き(Baumatic)
ケース素材:ステンレススチール
防水性能:50m
おすすめポイント
2021年に登場して以来、高い人気を誇るこのモデル。スモーキーグリーンの文字盤は、控えめながらも奥行きのある味わい深い色合いが魅力です。文字盤中央にはホワイトのクロスラインが施され、3時位置に日付表示窓があります。シルバーの針とインデックスが盤面に調和し、抑制の効いた上品な美しさを演出しています。
40mm径×11.3mm厚のケースサイズは、正装時計の黄金サイズで、ほとんどの方の手首にフィットします。ムーブメントは自社開発の「Baumatic」を搭載。COSC(スイス天文台)認定を取得しており、動力は驚異の120時間(5日間)と超長時間。平日忙しいビジネスマンにとって、手間がかからない頼もしい一本です。
まとめ
一枚の緑盤が、無限の着こなしの可能性を解き放ちます。
ロンジン:グラデーションでレトロな高級感
タグ・ホイヤー:深みのある色合いでホリデー気分を演出
ボーム&メルシエ:スモーキーな質感で控えめな大人の風格
これらはトレンドの「緑盤」であると同時に、正装時計としての絶妙なサイズ感と実用機能を兼ね備えています。どれもおすすめの逸品です。

ヴァシュロン・コンスタンタンがグランド・レディ・キャラの新作を発表~

グランド・レディ・キャラ、ルビー、サファイア、エメラルド – 新たな3つのバリエーション

ジュエリーウォッチの豊かな伝統と遺産を通じて、ヴァシュロン・コンスタンタンと女性の長きにわたる絆を称えます。1979年に「カリスタ」から始まったハイジュエリーウォッチの物語は、カラーストーンを用いた「グランド・レディ・キャラ」により新たな章を刻みます。

リストウォッチからソートワールネックレスへ。全面に宝石を施し、4つのパーツを付け替えて着用できる変幻自在のタイムピース
1979年に「カリスタ」を発表以来、40年以上にわたり進化を遂げてきたヴァシュロン・コンスタンタンのハイジュエリーウォッチ。2024年に発表した「グランド・レディ・キャラ」に、輝きを放つ3つのバリエーションが加わり、その新章が幕を開けます。

カラーストーンを取り入れた新作では、ホワイトダイヤモンドにエメラルドとプラチナ950、ルビーまたはサファイアと18Kホワイトゴールドが調和し、ホワイトアコヤパールとポリッシュ仕上げを施したオーナメンタルストーンのビーズが貴石を引き立てます。3つのモデルはいずれも、全面に貴石を施した時計、ジュエリーピース、3連のリヴィエラスタイルブレスレット、ソートワールネックレスから構成され、これらを付け替えることにより、4通りの方法でこのタイムピースをお楽しみいただけます。

「グランド・レディ・キャラ」は、宝石で装飾された単なる時計ではなく、「時」を最も創造的な方法で表現するハイジュエリー作品として誕生しました。そこには、1755年の創業から今日に至るまで、270年にわたり創造性と技術の卓越性を探求し続けるヴァシュロン・コンスタンタンの姿勢が表れています。

ジュエリーウォッチの豊かな伝統を称えて
ヴァシュロン・コンスタンタンは創業当初から、貴石、エナメル装飾、ギヨシェ彫り、エングレービングなどを手作業で施した美しいタイムピースを製作し、女性との強い絆を育んできました。メゾンのプライベートコレクションには数々の精緻なレディスウォッチが保管されており、その中でもジェムセッティングを施した初期の作品は
1812年にまで遡ります。1924年製の多色のジェムストーンが施された作品は、ペンダント部分をブローチとして身に着けることができます。アールヌーヴォーとアールデコの時代にはメゾンの創造性が花開き、多彩なデザインとジュエリーウォッチが生まれました。そして、20世紀から21世紀にかけ、その美的感性は、変化する社会や文化と響き合いながら進化を遂げてきました。

1979年、ヴァシュロン・コンスタンタンは唯一無二の「カリスタ」を発表し、新たな物語の幕開けとなりました。レイモン・モレッティが手掛けた革新的デザインは、リヴィエラブレスレットと金塊を彫って作り出した140gの18Kソリッドゴールド製ケースを組み合わせました。このタイムピースには130カラットものダイヤモンドが施されています。その翌年には、18Kイエローゴールドを同様に彫り上げ、約30カラット、108個のエメラルドカット ダイヤモンドを施した「レディ・キャラ」が誕生しました。
その後もメゾンは、「ミス・キャラ」、「クイーン・キャラ」、「ロード・キャラ」、「キング・キャラ」、「ダッチェス・キャラ」など、「キャラ」のバリエーションを多数発表しています。
2001年、18Kホワイトゴールドの金塊から作り上げたケースにサテンストラップを組み合わせた「レディ・キャ
ラ」が、第1回ジュネーブ ウォッチグランプリ(GPHG)でジュエリーウォッチ賞に輝きます。2010年には、「レデ
ィ・キャラ」の誕生30周年を記念し、「レディ・キャラ・フラム」を発表しました。この時初めて用いられた特徴的なフラムカットは、ヴァシュロン・コンスタンタンが考案したもので、GIA(米国宝石学協会)に登録されています。
2024年には、ダイヤモンド、ホワイトアコヤパール、ブラックオニキスビーズを組み合わせたモノクローム配色の
「グランド・レディ・キャラ」が登場。「カリスタ」を受け継ぐハイジュエリーウォッチシリーズに加わったこの時計は、時計とタッセルソートワールを備え、4通りの方法で着用できます。このまばゆいばかりの新デザインによって、メゾンは創造性の新たな境地を切り開きました。

「時」を体現する、3つの新たな創造的表現
直線的な幾何学模様が特徴的なブレスレット、時計、ジュエリーピースと、しなやかな優美さを称えるソートワールネックレス。「グランド・レディ・キャラ」はアールデコ様式を彷彿させます。3つのモデルそれぞれに計39.4カラットのダイヤモンドが使用され、付け替え可能な4つのパーツで構成されています。 3連のリヴィエラスタイル ブレスレットは103個のダイヤモンドと、中央の列に8個の貴石(サファイア、またはルビー、エメラルド)が配されています。ジュエリーピースには、中央に配した大きなシュガーローフカットのサファイア、またはルビー、エメラルドとともに、12個のダイヤモンドをセットしています。

カラーストーンはすべて、スイス宝石学研究所(SSEF)の認定を取得しています。全面にダイヤモンドを施した文字盤を囲むようにエメラルドカットのカラーストーン2個と澄んだ輝きを放つエメラルドカットのダイヤモンド10個を配し、コントラストを際立たせています。

時計とジュエリーピースはどちらも、ブレスレットとソートワールにぴったりと嵌め込むことができるようデザインされています。長さ85cmのソートワールは、深い光沢と美しい輝きを特徴とするアコヤパールの丸み帯びたフォルムと、ポリッシュ仕上げを施した貴石やオーナメンタルストーンのビーズと共鳴します。このソートワールネックレスの先端には、パールとポリッシュ仕上げの貴石のビーズで作ったタッセルがあしられています。

時計、ブレスレット、ジュエリーピースのダイヤモンドとカラーストーンには、その優雅さから高く評価されるエメラルドカットを採用しています。階段状に並ぶ横長のファセットにより、デザインの洗練されたシンプルさと直線的な構造が際立ちます。角に面取りを施した長方形のエメラルドカットは、独特の視覚効果を生み出し、ブリリアントカットの鮮烈な輝きに比べると控えめでありながら、その煌めきは印象的です。エメラルドカットは反射が少ないため、石そのものの色を引き立てます。
また、上面の広いテーブルファセットが石の内部をのぞき込む「窓」となるため、内包物が見えやすく、エメラルドカットは一般的に透明度の高い宝石に用いられます。

中央に施されたシュガーシュガーローフカットは、宝石の美しさを異なる方法で際立たせます。なめらかなドーム型の形状は、19世紀後半まで販売されていた精製された砂糖がこの形状に由来します。長い歴史を持ち、現代のジュエリーでは比較的希少なこのカットは、クラシカルなラウンドカボションカットの一種で、ポリッシュ仕上げを施した4面と繊細な頂点を特徴とします。表面全体から取り込まれた光は石の内部を照らし、ファセットカットでは成し得ることのない方法で深みや色を美しく引き出します。シュガーローフカットは、石本来の形状と美しさを保ちながら、滑らかで対称的な表面に仕上げる必要があり、高度な技術と正確さが求められます。このカットの希少性が、その魅力をさらに高めています。

クロー セッティングは、エメラルドカットの宝石を爪留めすることにより、金属の露出を最小限にとどめ、最大限の光を透過させることで、印象的な視覚効果を生み出します。このセッティングを間近で見ると、ほぼ肉眼では見えない細部までのこだわりまで分かります。爪の一つひとつがヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するマルタ十字の枝の形に作られており、4つのストーンが並ぶことでマルタ十字が完成します。さらに、精巧に設計したクラスプと留め具、時刻設定用リュウズは、ストーンによって完全に隠されています。

グランド・レディ・キャラ – サファイア:18Kホワイトゴールド、約49.72カラットのサファイアを使用。ブレスレットにエメラルドカット サファイア8個、ウォッチに2個、ジュエルピースに2個、シュガーローフカット サファイア1個(約2.54カラット)。ソートワールにポリッシュ仕上げのブルーサファイアビーズ31個、柔らかな光沢を備えるアコヤパール112個、ポリッシュ仕上げのブルーカルセドニービーズ20個。

グランド・レディ・キャラ – ルビー:18Kホワイトゴールド、約49.85カラットのルビーを使用。ブレスレットにエメラルドカット ルビー8個、ウォッチに2個、ジュエルピースに2個、シュガーローフカット ルビー1個(約2.45カラット)。ソートワールにポリッシュ仕上げのルビービーズ31個、柔らかな光沢を備えるアコヤパール112個、ポリッシュ仕上げのピンクカルセドニービーズ20個。

シチズン『カンパノラ』 25周年記念限定モデル「星響(ほしのひびき)」登場~

『カンパノラ』 25周年記念限定モデル、漆黒の宙で響きあう星を表現した「星響(ほしのひびき)」登場

シチズン時計株式会社は、雄大な宙に想いを馳せ、今という時を愉しむためのウオッチブランド『 CAMPANOLA(以下、カンパノラ)』から、ブランドでは初となるケース‧バンドすべてにデュラテクト DLC※1を施した「星響」 3モデル【希望⼩売価格 451,000円〜 1,320,000円(税抜価格410,000円〜 1,200,000円)】、数量限定で 2025年11月13⽇( AH408451EとAH7064-52Eは12月4⽇)に発売します。※価格、発売⽇ともに予定です。

「カンパノラ」ブランド誕生
25周年を記念し、宙と時、そしてカンパノラが共鳴する新製品『星響』を数量限定で発売します。夜空に輝く星々が互いに影響し合い、軌道を保つように、時の流れと宇宙の調和を表現した特別なモデルです。ブランドで初となるデュラテクト DLCを施した漆黒の宇宙のようなオールブラックのケースとバンドに、星の輝きを象徴するゴールドカラーが映える限定仕様となっています。

ラ‧ジュー‧ペレ社(スイス)のムーブメントを搭載するメカニカルモデル NZ0004-57Eは、会津塗の伝統⼯芸士、儀同哲夫(ぎどうてつお)氏の手による、煌めく螺鈿細⼯の漆塗り⽂字板を備えます。ひとつひとつ手作業で仕上げる⽂字板は、ひとつとして同じものがなく、宇宙で輝く星々のようです。

ミニッツリピーターモデル AH7064-52Eは、針やダイヤルを飾るリングパーツのゴールドカラーがケースとバンドの艶やかなブラックと美しいコントラストを描きます。ミニッツリピーターを操作する 2時位置のプッシュボタンもゴールドカラーにすることで音の広がりを視覚的に表現しました。音の広がりを電鋳パターンで表した⽂字板も特⻑のひとつです。

ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダー ※2、クロノグラフの 4大複雑機構を備えるグランドコンプリケーションモデル AH4084-51Eは、ミニッツリピーターの高低ふたつの音の広がりを⾒返しリングにグラデーションで表現。本モデルも 2時位置のプッシュボタンはじめ、各パーツをゴールドカラーにすることで、漆黒のケース、バンドと美しいハーモニーを作ります。

[カンパノラ]
『カンパノラ』は、2000年にデビューして以来、腕時計を単に時刻を知るだけのツールではなく、「雄大な宙(そら)に想いを馳せ、今という時を愉しむ。」をテーマに掲げ、先端技術や匠の技を活かした独創的なモデルを発表し、高い評価を得てきました。ガラスに遮られたわずかな空間に、無限の宇宙を閉じ込める「宙空の美」をデザインコンセプトに、サークル形状の五徳リングなど、パーツを組み合わせた多重構造を持ち、建築物のように⽴体的な表情を醸しだすデザインが特⻑です。

■限定モデル星響メカニカル
会津塗の伝統⼯芸士、儀同哲夫氏による螺鈿細⼯を施した漆塗り⽂字板を備えるメカニカルモデル

[プロフィール・儀同哲夫氏]
昭和 23年、福島県会津若松市生まれ。伝統⼯芸士として会津漆器の伝統を守り、新たな可能性を追求している。またその技を次の世代に伝えるべく、後進の育成にも情熱を傾けている。平成 14年よりカンパノラの漆塗り⽂字板制作に携わる。令和元年、瑞宝単光章受章。

【仕様】
CAMPANOLA(カンパノラ)
限定モデル星響(ほしのひびき)メカニカル
商品番号:NZ0004-57E
希望⼩売価格:1,320,000円(税抜価格 1,200,000円)
発売⽇:2025年11月13⽇
限定数量:150本

ケース /バンド:ステンレス(デュラテクト DLC)
・ガラス:デュアル球面サファイアガラス(クラリティ ‧コーティング [※3])
・ケース径 /厚み:42.0mm/14.0mm(設計値)
⽂字板:漆塗り⽂字板
・電気鋳造+漆塗り+螺鈿
[主な機能]
■Cal.Y513 /機械式( ⾃動巻き/手巻き) /持続時間約 42時間(最大巻上時) /精度 :平均 ⽇差 -5~+10秒[※4] /振動数: 28,800回 ∕時 /石数: 25石 /ビッグデイトカレンダー /パワーリザーブ表示機能 /秒針停止機能 /⽇付早修正機能
■⽇常生活用防水
■シースルーバック(サファイアガラス)
■限定モデル星響ミニッツリピーター

ケース /バンドの艶やかなブラックカラーに、針やリングパーツのゴールドカラーが映えるミニッツリピーターモデル。

【仕様】
CAMPANOLA(カンパノラ)
限定モデル星響(ほしのひびき)ミニッツリピーター
商品番号:AH7064-52E
希望 ⼩売価格:451,000円 (税抜価格 410,000円)
発売⽇:2025年12月4⽇
限定数量:250本

ケース /バンド:ステンレス(デュラテクト DLC)
・ガラス:デュアル球面サファイアガラス(クラリティ ‧コーティング)
・ケース径 /厚み:42.5mm /15.5mm(設計値)
[主な機能]
■Cal.6762 /月差 ± 20秒 /ミニッツリピーター /パーペチュアルカレンダー /アラーム 1‧2 /デュアルタイム /ローカルタイム /ローカルタイムアラーム / 24時間表示 /電池寿命約 2年
■⽇常生活用防水
■限定モデル星響グランドコンプリケーション

ミニッツリピーターの高低ふたつの音が響きあうさまを表現する、グランドコンプリケーションモデル。

【仕様】
CAMPANOLA(カンパノラ) /
限定モデル星響(ほしのひびき)グランドコンプリケーション
商品番号:AH4084-51E
希望⼩売価格:506,000円(税抜価格 460,000円)
発売⽇:2025年12月4⽇
限定数量:250本

ケース /バンド:ステンレス(デュラテクト DLC)
・ガラス:デュアル球面サファイアガラス(クラリティ ‧コーティング)
・ケース径 /厚み:43.0mm / 16.5mm(設計値)
[主な機能]
■Cal.6772 /月差 ±20秒 /ミニッツリピーター /ムーンフェイズ /パーペチュアルカレンダー /クロノグラフ( 1/4秒、 12時間計) / 24時間表示 /電池寿命約2年
■⽇常生活用防水

[※1]デュラテクト DLC:デュラテクトはシチズン独⾃の表面硬化技術。ステンレスやチタニウムなどの金属表面硬度を高め、優れた耐摩耗性により、すりキズや、⼩キズから時計本体を守り、素材の輝きを⻑時間保つ技術の総称です。 DLCはDiamond-Like Carbonの略で、⼯業製品にも使用されている耐摩耗性に優れた技術です。シチズンのデュラテクト DLCは中間素材にこだわることで密着性を向上し、剥がれにくく耐久性にすぐれています。すりキズに強いだけでなく、美しい艶をもつブラックカラーと触り⼼地が非常に滑らかなのが特⻑です。ビッカース硬度 1,000-1,400HVを実現しています。(ステンレスのビッカース硬度は約 200HV)
[※2]パーペチュアルカレンダー: 2100年2月28⽇までのうるう年などの月末のカレンダー修正を⼀切不要にしたカレンダー機能です。
[※3]クラリティ‧コーティング:サファイアガラスの表裏面へ薄膜を多層コーティングすることにより、光の反射を抑えて時計の⽂字板を⾒やすくしました。さらに防汚膜を付加することで耐久性と防汚性の向上を実現しました。
[※4]精度は静的状態にて測定したものです。機械式時計の特性上、使用される条件(携帯時間、時計の姿勢、腕の動き、ゼンマイの巻上具合など)によっては、⽇差範囲を超える場合があります。

メゾン史上最も複雑なチャイム機構を搭載したタイムピースを発表

L.U.C グランド ストライク - The Sound of Eternity~フルリエに拠点を置くショパール マニュファクチュール設立30周年を祝し、

ショパール マニュファクチュールから、卓越した機械式時計のマスターピース「L.U.C グランド ストライク」が誕生しました。スイスのウォッチメーカーであるショパールが、開発・設計から製造に至るまで、すべての生産工程を自社内で手がけたこのタイムピースは、グランソヌリ、プチソヌリ、ミニッツリピーターを備え、長年にわたって培ってきた機械技術の粋を結集したサファイアクリスタル製ゴングによるチャイム機構を搭載しています。

「L.U.C グランド ストライク」は、ショパール共同社長のカール‐フリードリッヒ・ショイフレが主導してきた、数十年にわたるソヌリ開発の集大成として結実したクリエイションです。

11,000時間以上におよぶ集中的な研究・開発の成果として誕生した「L.U.C グランド ストライク」は、ショパール マニュファクチュール史上最も複雑なタイムピースであり、新たに開発された5件を含む、計10件の独自技術特許を有しています。その性能は、厳格な社内テストに加え、ジュネーブ・シールおよびCOSC(スイス公式クロノメーター検定局)による認定によって証明されており、同タイムピースは現代のハイコンプリケーションにおいても、カルティエ スーパーコピーN級品最も総合的な評価が高いグランソヌリであることが公式に認められています。

このタイムピースのデザインは伝統的なフォルムと現代的な美学を融合させ、洗練された控えめな曲線を描きながら、文字盤を排した構造によって、686の部品からなるキャリバー「L.U.C 08.03-L」がケースの中で時を刻む優美な姿を披露しています。

「ショパールは、いつの日かグランソヌリを完成させることを常に目標としてきました。『L.U.C グランド ストライク』を一目見れば、30年間にわたってファインウォッチメイキングの分野で創造と革新を重ねてきた、その集大成を見て取ることができるでしょう。チャイムの音色に耳を傾ければ、ショパール マニュファクチュールに息づくオートオルロジュリーのリズムが聞こえてくるでしょう。そして、その響きに心を動かされるならば、それは私たちのウォッチメイキングのスピリットとあなたの感性が共鳴しているからに他なりません」
カール‐フリードリッヒ・ショイフレ

30年間にわたるイノベーションの集大成
「L.U.C グランド ストライク」は、ショパール マニュファクチュールにおける約20年におよぶソヌリ開発のノウハウと、10年におよぶサファイアクリスタルのモノブロック技術の蓄積を礎とし、合計686のムーブメント部品で構成されるマニュファクチュール史上最も複雑なタイムピースです。このプロジェクトには、初期段階の試行的な研究や技術設計、実用的なプロトタイプの製作に至るまで、11,000時間以上も費やされました。そのうち2,500時間以上はプロトタイプの微調整に充てられ、最終製品がマイクロメカニカルな完成度の極致にまで達するべく、手が尽くされました。

直径43mmという極めてコンパクトな18Kエシカルホワイトゴールド製ケースに収められた高精度のキャリバー「L.U.C 08.03-L」が、完全なオープンワークの文字盤からその全体像を現します。ケースデザインの控えめで端正な曲線とプロポーションにより、視線はムーブメントへと導かれ、その繊細なメカニズムを余すところなく堪能することができます。10時位置には、ポリッシュ仕上げのふたつのスティール製ハンマーが配され、このタイムピースがチャイミング機構を備えていることを明確に示しています。巻き上げおよび時刻設定用のリューズの隣には、エルゴノミックなデザインのスライド式セレクターが設けられ、グランソヌリ(G)、プチソヌリ(P)、サイレント(S)の3つのソヌリモードを切り替えることができます。

文字盤の下半部には60秒トゥールビヨンが配され、COSC認定ムーブメントの性能を視覚的に体現しています。トゥールビヨンの絶え間ない回転と、チャイミング機構の巧みな動作によって、「L.U.C グランド ストライク」は、身に着ける人がそれを眺めるたびに機械式時計の驚異を存分に体感できる魅惑的なクリエイションです。

ショパールの時計製造における卓越性と革新性を象徴する特許取得のサファイアクリスタル製ゴングは、文字盤と一体のモノブロック構造で機械加工されています。ウォッチメイキングの歴史において前例のない素材であるサファイアクリスタルを用いたこの独自の構造こそが、「L.U.C グランド ストライク」に比類なき音響特性をもたらしています。

サファイアクリスタル製ゴングに加え、「L.U.C グランド ストライク」の製作には、出願中および/または取得済の特許がさらに9件採用され、ショパール マニュファクチュールの革新的なスピリットを改めて証明しています。これらの特許は、ムーブメントを偶発的な誤操作から保護する重要なセキュリティー機構から、チャイミングのテンポを最適化する改良まで、「L.U.C グランド ストライク」のあらゆる機能面を網羅しています。そのうちの5件については、このタイムピースのために新たに申請された特許であり、メゾンの核となる“革新に支えられた技術力”のたゆまぬ進化を象徴しています。

「L.U.C グランド ストライク」は長年にわたる開発の過程において、技術的側面と美的側面の両立を念頭に、両者を完全に調和させることを目指して構想されました。最終的に完成したクリエイションはその理念の結実であり、オートオルロジュリーの卓越性と洗練を尽くした優美なデザインとが見事に融合を遂げています。

音のレガシーを紡ぐ
新世紀の幕開けとともに、ショパール共同社長カール‐フリードリッヒ・ショイフレは、マニュファクチュールをチャイミングウォッチの領域へと導く最初の一歩を踏み出しました。それは、「L.U.C グランド ストライク」がショパールの“一部”となることを運命づける始まりでもありました。2006年の「L.U.C ストライク ワン」の発表からわずか1年後、彼はメゾンの研究・開発チームとショパール独自のグランソヌリムーブメント開発の可能性についての議論を開始しました。

「L.U.C グランド ストライク」のような時計製造の金字塔となるクリエイションを生み出すための技術を習得することは、それ自体が壮大な挑戦でした。しかし、ショパールにとって重要だったのは、単に専門知識を習得することだけではなく、それを超えた“真の熟練技”――完璧な技術の実現に留まらず、真の意味での“革新”へと歩を進めること――それこそがメゾンが目指す到達点だったのです。

「L.U.C グランド ストライク」の源流は、伝統的な複雑機構を備えた「L.U.C オール イン ワン」(2010年)から、複数の特許を有する「L.U.C 8HF」(2012年)にまで遡ることができます。これらのクリエイションは、真のクラシシズムから妥協を許さない最先端の現代的アプローチに至るまで、時計製造におけるあらゆる領域を網羅するショパール マニュファクチュールの多面的な創造性と柔軟性を体現しています。

キャリバー「L.U.C 08.03-L」を構成する精微な機構の一つひとつが、機械式時計製造のあらゆる側面に精通した深い理解のもとに設計されています。すべてのソヌリウォッチの基盤となるマルチバレル(多重重箱)構造は、4つの香箱を備えた「L.U.C クアトロ」をはじめとする、卓越した動力分配システムを有する名機の開発を通じて培われた知見によってさらに進化を遂げています。また、「L.U.C グランド ストライク」の60秒トゥールビヨンは、L.U.C 02系のトゥールビヨンムーブメント開発で蓄積された自社の経験に基づき、極めて厳格な制度基準を実現しています。さらに、時計製造において標準とされるソヌリ機構の瞬時起動においても、「L.U.C ルナ ワン」のようなジャンピング表示を備えた複雑なカレンダーの開発から得られた知見を活かし、より洗練された完成度へと磨き上げられています。

2016年、ミニッツリピーター「L.U.C フル ストライク」は、完璧なチャイム音の追究というマニュファクチュールのコミットメントをさらに明確に示しました。それは単にショパールのソヌリ技術革新を際立たせただけでなく、オートオルロジュリー業界における新たな知見をもたらす革命的出来事でもありました。「L.U.C フル ストライク」は、チャイミングウォッチ史上初めて、スティールではなくサファイアクリスタル製ゴングによって、時、15分、分を打ち鳴らすことに成功しました。

サファイアクリスタル(単結晶酸化アルミニウム)の音響特性は以前からよく知られていましたが、繊細な素材の性質ゆえ、時計業界ではサファイアクリスタル製のゴングの実用化は不可能とされ、それを試すことすら困難であるという共通認識がありました。その常識を覆し、誰も成し遂げたことのなかった領域に踏み込み、成功を収めたのがショパール マニュファクチュールだったのです。

「L.U.C フル ストライク」は、不可能を可能にしたモデルとして知られるようになり、2017年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)においてその偉業は認められ、最高賞である「金の針賞(Aiguille d’Or)」の栄誉に浴しています。

キャリバー「L.U.C 08.03-L」:複雑機構と特許技術の集大成
今日、ショパールはソヌリ機構の“旅”に新たな章を刻みます。「L.U.C グランド ストライク」の誕生です。このタイムピースは、チャイミング機構の中でも最も格調高いグランソヌリを搭載し、時・15分・分ごとに正確に時を知らせます。

また、チャイム音の少ないプチソヌリモードに切り替え、1時間ごとに時を、その後は15分ごとに時を知らせることができます。「L.U.C グランド ストライク」の自動チャイムは、必要に応じて完全に停止させることもでき、その際はミニッツリピーター機能を手動で作動させた場合にのみ時刻を打ち鳴らします。

手動(ミニッツリピーター)または自動(グランソヌリ/プチソヌリ)でチャイムを作動させるたびに、34の部品が一斉に動き出し、正確かつ明瞭に時刻を告げます。これらの部品は、手作業による調整が施された板ばね(ブレードスプリング)によって制御され、待機状態から作動可能な状態に移るまでにかかる時間はわずか0.03秒です。これらのメカニズムは、舞台上でスポットライトを浴びるハンマーとゴングを支え、完璧な調和を見せるバレエ団のようです。作動準備が整った後に繰り広げられる“機械仕掛けの舞”では、レバーが下がり、カムが伸び、ラックが前進――そして、ついにハンマーがゴングを打ち、美しい音色が鳴り響く最高潮の“見せ場”を迎えます。

このタイムピースには、60秒トゥールビヨンを含む多彩なクロノメーター機能を駆動させるために、計686のムーブメント部品が使用されています。トゥールビヨンの上部にはスモールセコンドが配置され、このウォッチに搭載された計時精度を絶え間なく、しかしさりげなく表示しています。「L.U.C グランド ストライク」は、ジュネーブ・シールとCOSC(スイス公式クロノメーター検定局)のダブル認証を取得しており、その品質と精度が公式に保証されています。

ムーブメントのエネルギー消費が極限に達した状態でも時計の性能を維持することを保証するため、「L.U.C グランド ストライク」は、プチソヌリモードでもCOSCの認証を取得しています。プチソヌリは、一見するとグランソヌリよりも省エネルギー効果が高いように思われますが、実際にはグランソヌリよりもエネルギー消費量が多くなります。これは、15分ごとに打鐘を抑制する機構がチャイミングシステムに対してブレーキとして機能し、実質的にパワーリザーブを消費するためです。

「L.U.C グランド ストライク」は、トゥールビヨンをはじめとする計時機能に加え、膨大な数の部品と多彩なチャイム機構を搭載しているにもかかわらず、直径わずか43mm、厚さも14.08mmに抑えられています。これは時計製造における“小さな奇跡”と呼ぶべき構造であり、サイズとエネルギー効率の双方が求められる現代生活において、理想的なバランスを実現したモデルです。

エネルギー効率の要件を満たすため、自社製手巻きキャリバー「L.U.C 08.03-L」は、ふたつのゼンマイ香箱を備えており、ひとつは計時機能用、もうひとつはチャイミング機構専用としてそれぞれ独立しています。ソヌリ用の香箱は完全に巻き上げられた状態で、チャイムを頻繁に鳴らすグランソヌリモードにおいても、12時間途切れることなく作動し続けます。

テンプの振動数を考慮すると、70時間というパワーリザーブは、このような高度な複雑機構を備えたウォッチとしては特筆すべきものです。「L.U.C 08.03-L」の振動数は4Hz(毎時28,800振動)であり、これはスポーツウォッチとしては標準的な数値ですが、このレベルの複雑時計としてはかなり高い数値となります。「L.U.C グランド ストライク」は、一切の妥協を排して現代の高性能ウォッチに求められる厳格な基準を実現することで、クロノメトリー性能を確実に保証しているのです。

高精度は、ストップセコンド機能を搭載した時刻表示システム自体によって支えられています。リューズを引き出して時刻設定位置にすると、スモールセコンド針が停止し、秒単位まで正確に時刻を合わせることが可能です。こうして、ムーブメントのクロノメトリー性能が、文字盤の表示を通して余すところなく発揮されています。

優れた計時性能と表示精度に加え、「L.U.C グランド ストライク」は長年の使用にも耐えうる堅牢性を備えています。ショパール マニュファクチュールでは、プロトタイプの段階から「L.U.C グランド ストライク」の社内品質管理を実施しています。2種類のソヌリモードをそれぞれ同数ずつ、合計62,400回作動させる試験を行い、わずか3ヶ月で5年間の使用状態をシミュレートする加速プロセスを実施しました。ミニッツリピーターについては、リューズプッシャーで連続3,000回作動させ、ムーブメントの長期使用への耐久性を検証しています。全工程を通して、サファイアクリスタル製ゴングはこの厳格なテスト中に50万回以上打鐘され、自社製キャリバー「L.U.C 08.03-L」が誇る耐久性と信頼性が実証されています。

クリスタルクリアな音色
「L.U.C グランド ストライク」には、ショパール マニュファクチュールに受け継がれてきた数十年にわたる時計製造の伝統が息づいていますが、その核となるのが“革新性”です。ショパールは、ソヌリウォッチの製作工程により高い精度と専門性を追求するため、ジュネーブにある工科大学 HEPIA(Haute Ecole du Paysage, d’Ingénierie et d’Architecture: ジュネーブ高等造園・工学・建築学校)と密接に連携し、メゾンのシグネチャーであるチャイムの技術的特性を解析しました。その結果導きだされた知見によれば、サファイアクリスタル製チャイミングシステムとスティールゴングを用いた従来の構造とは明確に異なる3つの要素が明らかになりました。

第一の特徴は、そのモノブロック構造にあります。従来のチャイミングウォッチは、円形断面のポリッシュ仕上げのスティールゴングを使用し、これをムーブメントにネジで固定します。伝統的なソヌリのチャイムは、ハンマーがゴングを叩くことで、音響エネルギーが振動波としてウォッチ全体に伝わり、文字盤のクリスタルを伝わって空気中を伝播することで発生します。しかし、この間接的な音の伝達方法は、ゴングの固定部やムーブメント、さらにはケースなど複数の箇所でエネルギーが損失し、チャイム全体の響きが減衰してしまいます。これに対し、ショパール独自のチャイミングシステムでは、一塊のサファイアクリスタルから機械加工により削り出したゴングと文字盤のクリスタルを一体化させています。ハンマーがこのサファイアクリスタル製ゴングを打つと、文字盤のクリスタル全体が共鳴・振動し、音が直接外部へと伝わります。その結果、ムーブメントやケースによるエネルギー損失を最小限に抑えることができ、チャイムの音色がより明瞭で純粋なものとなります。

第二の特徴は、サファイアクリスタル製ゴングの形状にあります。従来のスティール製ゴングが円形の断面を持つのに対し、ショパールのサファイアクリスタル製ゴングは直交(角形)断面を採用しています。これは運動エネルギー伝達の原理に基づいた設計であり、ソヌリハンマーとゴングの接触面積を拡大することで、より効率的なエネルギー伝達を可能にしています。さらに、この角形断面は、円形断面のゴングとは異なる音響特性も備えています。ゴングの長手方向に沿った直角構造は、音波の振動を特定の方向へ導く「音の偏光フィルター」のような役割を果たします。この複雑な振動パターンにより、耳に心地よく響き、調和と質感を兼ね備えた豊かで重層的なチャイム音が効果的に生み出されます。

第三の特徴は、サファイアクリスタルそのものの原子構造にあります。この素材が持つ特性こそが、現在製造されているすべてのショパール製ソヌリにまぎれもない品質を与えています。サファイアの単結晶構造から生み出されるチャイムは、優美でありながらパワフルで、澄み渡りながらも豊かに共鳴する――その響きは、いかなるスティール製ゴングでも再現することができません。さらにサファイアクリスタルはダイヤモンドに次ぐ硬度を誇り、金属のように物理的な変形を生じることがありません。そのため“永遠の響き(Sound of Eternity)”と名付けられた独特の音色が生まれるのです。