世界三大ブランドのオーデマ ピゲ、パテック フィリップ、そしてヴァシュロン・コンスタンタンの超薄型自動巻永久カレンダーのオリジナルだ(ちょっと言いにくいので、フランス語でパーペチュアルカレンダーを意味するQPと呼ぼう)。
2023年の今でも、私はQPが欲しい。ロマンチックで時代錯誤、そして不要なものだが、今日の機械式腕時計は、まるでChatGPTに質問して答えがわかるのように、うるう年を追跡する以上の使い道はないと思うのだ(Googleは2022年までは有効だった)。70年代にクォーツが機械式腕時計を実質的に無用なものにしてしまったあと、腕時計にできる最善のことは、手仕上げのムーブメントやクレイジーな複雑機構、そして2100年まで調整不要なカレンダーなど、馬鹿げたことをすることでその無用さに寄り添うことだったような気がするのだ。1978年から1985年にかけて発表されたこれらQPは、ロイヤル オーク、ノーチラス、222以上に、電池駆動の時計に対する究極の“中指を立てたような存在”だった。
ultra thin perpetual calendar neovintage
件のネオヴィンテージ・パーペチュアルカレンダー3機種。
ようやく、これらの時計が評価されるようになってきた。ゲイリー・シュタインガート(Gary Shteyngart)氏が1年以上前に3940に対する永遠の愛について書いているように、パテックの3940はしばらく前から評価されていたが、それは文字盤の名前と同じくらい、文字盤の下で何が起こっているかに起因しているかもしれない。
歴史はさておき、この3つのQPを一緒に扱う機会を得たとき、疑問は単純なものだった。ひとつだけ買うとしたら、それはどのモデルか? そして以下が、今回試した時計たちだ。
プラチナ製 オーデマ ピゲ Ref.25668
プラチナ製 ヴァシュロン・コンスタンタン Ref.43032
イエローゴールド製 パテック フィリップ Ref.3940J
待ってくれ、APとヴァシュロンはプラチナでスケルトンだが、パテックはそのどれでもないじゃないか、と言うかもしれない。もちろんそのとおりで、かつて私はプラチナの3940Pを腕につけて数秒の至福の時を過ごしたが、マイアミ・ビーチ・アンティークショーでは数千本の時計のなかにはなかったようで、仕方なく手に入れた(かわいそうな私)。パテックはスケルトンの3940を作ることはなかった。パテックがこれまでに行った最も悪趣味なことは、サファイアのシースルーバックからムーブメントを見せることだった。
やがて多くのブランドが超薄型のQPを製造するようになったが、最も大きなインパクトを与えたのは、パテック、AP、ヴァシュロンのこれらのモデルだった。それまでQPは数十本単位で製造されていたが、やがて年間数百本という規模でQPが製造されるようになったのだ。この3つの時計すべては、電池式の時計が一般的になった今日において、これら高級時計メーカーが高級時計を作りたいというニーズから生まれたものだ。もちろん、目を細めればどれも似たような時計に見えるが、よくよく観察してみると、もっと興味深いのはそれぞれの違いである。
さて、歴史の話はこれくらいにして、実際に手首につけてみて、どれがいちばんよく機能するか見てみよう。
オーデマ ピゲ Ref.25668 “オープンワーク”
Audemars Piguet ultra thin perpetual calendar openworked
この3本のなかで、オーデマ ピゲが最初に超薄型のQPを発表したのは1978年のことである。それだけに、私は初物フェチのひとりであり、常にAPを偏愛してきた。ジェラルド・ジェンタの愛弟子であるジャクリーヌ・ディミエ(Jacqueline Dimier)氏がAPのQPを設計し、時計職人たちがCal.2120を設計した。APはジャガー・ルクルトの920をベースにしているが、これは伝説的なムーブメントであり(ヴァシュロンのQPにも使用されている)、“自社製”に対する我々の現在の憧れが行き過ぎであることを示す証でもある。
しかし、APのQPを身につけたとき、そんなことは一切気にならなくなった。36mm、厚さ約7mmと、決して大きな時計ではない。しかし、このQP、特にスケルトン仕様のフォルムを身につけると、サイズと“腕の存在感”の違いについて考えさせられた。
Audemars Piguet ultra thin perpetual calendar
見て欲しい。短くカーブしたラグは、スラップブレスレットよりもシームレスに手首にフィットする超薄型だ。しかし、その半分のサイズで、オフショアのような存在感を示している。まず、4つのインダイヤルは、この時計が多くのことを管理していることを示すものだが、そのすべてがエレガントに行われているわけではない。その手首の存在感のほとんどは、スケルトン加工によるものだ。APが80年代半ばにオープンワークのQPを発表したとき、それは機械式時計製造に関する究極のステートメントだった。「我々を見て欲しい、我々は212個もの部品を小型のクォーツウォッチと同じサイズに収めた時を作り上げたが、この時計は2100年まで時を刻むことができる。バカげた電池と違って」
APの第2世代のオープンワークQP、Ref.5668をつけてみた。手にしてみると、この後期型の大きな違いは、カレンダー機能を調整するためのプッシャーがケースのさらに奥に納まり、出っ張りがなくなったことだ。ヴァシュロンが快適なケースからほんの少しプッシャーを覗かせていたのに比べ、APのケースはずいぶん見栄えがよくなった。ファーストモデルとなるAPのQP Ref.5548ではプッシャーが飛び出していたが、APはこれが私たち愛好家にとっていかに厄介なものかを理解し、後のQP世代ではより平らに収まるようにしたようだ。
APのケースは、まるで包装紙を切るときにハサミが完璧な滑りを見せるように、全体的になめらかだ。余計な邪魔をせず、ベゼルに段差をつけることで、ケースに構造性を持たせ、かつ無理のないデザインに仕上げている。
Audemars Piguet perpetual calendar
APによると、15年間で7219本のQPを生産した(ロイヤル オーク QPを含む)。そのうちプラチナ製のRef.25668は79本のみで、APが1978年から1990年代にかけて生産した70以上のリファレンスと200以上のQPバリエーションのなかでも、特に希少な1本となっている。
しかし装着してみると、歴史や希少性などどうでもよくなり、ただただ手首の上でドレープを描くその姿が愛おしくなった。
もうひとつの対抗馬:ヴァシュロン・コンスタンタン Ref.43032
Vacheron ultra thin perpetual calendar 43032
希少性だけで判断するならば、ヴァシュロンに勝者の栄冠を授けて去ることができるだろう。ヴァシュロンは、1983年からオリジナルのQPリファレンスを製造中止する2006年まで、2000~2500本のQpを製造したと推定しており、パテックやAPの生産量の約4分のあたる。
もちろん、希少性は方程式の一部でしかない。時計は希少で特別でなければ収集の対象にならず、そうでなければ、単なる無名の時計に終わってしまう。ヴァシュロンはAPの数年後(1983年)に登場したが、それでも特別な存在であることに変わりない。中身も外観もAPに似ている。ベースとなるキャリバーには同じJLC920を使用し、仕上げも同じように華麗だ。スケルトンの違いについては、コメントしにくいのだが、本当によく似ている。
ヴァシュロンのケースバックの様子。
私が扱ったヴァシュロンのRef.43032は、1984年に発表されたスケルトン仕様のQPだ。生産数は不明だが、その後20年間で年間10~15本のスケルトンQPが生産されたと推定され、そのなかでもこのプラチナ仕様は希少価値が高いとされている。
一見すると、APと極めてよく似ている。そこで、その違いを拡大して見てみよう。私には、APのケースのほうがよりまとまっているように感じられる。ヴァシュロンのほうがラグが長く四角いため、腕に乗せたときに平らになり、必ずしも大きくはない。私はヴァシュロンのつけ心地が好きではなかったのだが、はっきり言って、どのQPも私の手首に好きなようにつけられるので、私は幸せ者だろう。しかし、APのカーブしたケースとラグが自然で有機的であるのに対し、ヴァシュロンはもう少し構造的でぎこちなく、まるでスーツのジャケットの肩の柔らかさと構造の違いのように感じられた。ラグが長いノモスを試着したことがある人ならわかるかもしれないが、自分に合うか合わないか、どちらかになってしまうと思う。
ヴァシュロンの美しいラピスラズリのムーンフェイズディスク。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、ムーンフェイズというディテールにこだわっている。APと同じく鮮やかなダークブルーだが、よく見るとラピスラズリであることに気づくだろう。この美しいディテールは、手首に装着した時計を数分間眺めたあと、スケルトンであることを忘れて見入ってしまうほどだ。
ニューカラーのアラビア数字ダイヤル、そして新たにセクターダイヤルが追加。
独立時計師・浅岡 肇氏が、着る服を選んで全体をコーディネートする際に、“腕時計だけが目立ってしまうことがない時計とはどんなものか?”という観点で開発を進めたという、クロノ ブンキョウ トウキョウの34mmコレクション。自身が好む1930年代のアール・デコスタイルのヴィンテージウォッチが持つデザインと小振りなサイズで表現されたその時計は、昨年発表されるや否や、ホームページでのみ購入可能という販売スタイルにもかかわらず、あっという間に完売してしまった。そんな話題のコレクションに、待望の新作が発表された。
前回は、フルアラビア数字インデックスに、それぞれカラーリングの異なるブルズアイデザインダイヤルを合わせた4つのバリエーションを展開。新作もラインナップは4種だが、今回はグレーとホワイトの落ち着いたダイヤルカラーで構成したアラビア数字ダイヤルが2種、そして新たに幾何学的なデザインを持つ2種のセクターダイヤルが用意されている。
昨年は発表に際して実機に触れる十分な時間が得られたため、34mmコレクションのHands-On記事を執筆した。今回の新作は前回のものとそれほど大きくは変わっていないため、基本的なスペックや作りの詳細については、そちらの記事を読んで欲しい。
新作の価格は前回と同様、各16万5000円(税込)。そして前回購入できずに悔しい思いをした方には朗報だ。うれしいことに、販売数は前回の各80本を大きく上回る各150本となった。販売は公式サイト上で、日本時間の3月10日から開始される予定だ。
ちなみに前回は、渋谷でのポップアップディスプレイにて事前に時計を見られる機会が設けられたが、今回は昨年、北青山にオープしたKURONO TOKYO AOYAMA SALONで3月2日から実機の展示が行われる。この展示に伴い、同サロンを訪れた方は、日本国内に居住している方に限られるものの、3月7日まで先行予約を受け付けるという(先行予約枠は数に限りがあるため、抽選制となる)。
クロノ ブンキョウ トウキョウ 34mm C034F(ダークグレー/ホワイト)とケースバック
ファースト・インプレッション
筆者は過去に、34mmコレクションについてニューオールドストックのような雰囲気を持ち、現代の時計らしい作りが同居した日常使いできるヴィンテージウォッチのようだと評した。そして、ヴィンテージウォッチは好きだが、気軽につけられないと敬遠していた人、そしてコストパフォーマンスの高い時計を求める人にとっても、理想的な選択肢のひとつとなってくれるだろうということも言及した。
そうした考えは、今回の新作においても変わらないのだが……、正直に言おう。魅力的ではあったものの、前回の34mmコレクションは、それほど筆者の物欲の琴線に触れなかった。理由はいたって単純だ。ダイヤルカラー、そしてホワイトやブルーのレザーストラップがどうにもポップな印象で、好みではなかったのだ。“もう少し落ち着いたトーンのカラーリングだったらよかったのに”と思ったのが、実のところの感想であった。
クロノ ブンキョウ トウキョウ 34mm 左からC034E(ホワイト/ライトグレー)、C034F(ダークグレー/ホワイト)、C034G(ブルー/ネイビー)、C034H(アイボリー/ライトブラウン)
だが、新作の画像を見て気持ちが大きく揺れ動いた。いずれのバリエーションも落ち着いたトーンのダイヤルカラーが採用されており、レザーストラップもすべてシボありのブラックカーフレザー。このシックな雰囲気は筆者の好みだ。
そして何といっても強く心を引かれたのは、新登場のセクターダイヤルだ。これは、アール・デコを代表するダイヤルデザインのひとつで、さまざまなブランドによって1930年代の短い期間にだけ製造された。このデザインはケース形状や搭載機能を超えて、同時期のさまざまな時計に見ることができ、多彩な名品が生み出された。例えば、セクターダイヤルを持つパテック フィリップのRef.96などは、ほかのデザインよりも高く評価されている。
円と放射状のラインを組み合わせた幾何学的で存在感のあるデザイン。ヴィンテージウォッチ好きのあいだで高く評価され、その個性的なスタイルと希少性から世界的に人気だが、それゆえセクターダイヤルのヴィンテージウォッチはなかなか手に入りにくい。そんなセクターダイヤルを持つ腕時計が、現行の時計ならではのしっかりとした作りで、しかも値ごろ感のある価格で手に入るのだ。さらに4分の1秒単位で設けられた文字盤外周の目盛りも筆者の好み。興奮しない訳がない。
クロノ ブンキョウ トウキョウ 34mm C034E(ホワイト/ライトグレー)とC034G(ブルー/ネイビー)
一方、こんなことを言っては何だが、新作は昨年発表されたコレクションのバリエーション展開である。とはいえ、単なるデザイン違いかというと、実はそうとも言い切れない。
聞くところによると、ミッドナイトのブルー/ブラックのセクターダイヤルは、1930年代に行われていたのと同じように、パッド印刷とシルク印刷を使い分けることで、より精密で高精度の印刷を実現しているという(すべての文字盤において何度もプロトタイプが作られているそうだ)。また、サファイアクリスタル風防は透過率が向上しており、無反射で指紋が付くのを防ぐ仕様でありながらも、無反射コーティング特有の青みを抑えることに成功。針の質も改良されており、夜光塗料を1本1本手塗りで施す方法に変更されているというのだ。そう、価格はそのままに、新作では細部にわたってアップデートされたのだ。こうした情報も、筆者の物欲を刺激してくれた。
いちばん気になっているのは、ブルー/ネイビーのカラーリングを持つセクターダイヤルのC034G(ミッドナイト)だが、読者の皆さんはどのバリエーションに心引かれるだろうか? いずれにせよ、前作よりもシックにまとまった新作は、どんな人でも手を伸ばしやすい時計に仕上がっていると思う。そして購入のチャンスが広がったとはいえ、セクターダイヤルモデルを手に入れるためには、なかなか骨が折れそうである。
クロノ ブンキョウ トウキョウ 34mm C034F(ダークグレー/ホワイト)とC034H(アイボリー/ライトブラウン)
基本情報
ブランド: クロノ ブンキョウ トウキョウ(Kurono Bunkyō Tokyo)
モデル名: 34mm
型番: C034E(ダークミスト)、C034F(スモーク)、C034G(ミッドナイト)、C034H(パーシモン)
直径: 34mm
厚さ: 9.6mm
ケース素材: ステンレススティール(316L、鍛造)
文字盤色: ホワイト/ライトグレー、ダークグレー/ホワイト、ブルー/ネイビー、アイボリー/ライトブラウン
インデックス: アラビア数字アワーインデックス、レイルウェイミニッツトラック
夜光: 時・分針とアラビア数字アワーインデックスに蓄光
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: カーフレザーストラップ、SS製尾錠
ムーブメント情報
キャリバー: MIYOTA 90S5
機能: 時・分表示、センターセコンド
直径: 25.6mm
厚さ: 3.9mm
パワーリザーブ: 約40時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
価格 & 発売時期
価格: 各16万5000円(税込)
発売時期: 3月10日(金)午後11時(日本時間)から。 ※クロノ ブンキョウ トウキョウ公式サイト上での販売。購入の際は、事前に公式サイトにて要アカウント登録(登録無料)
限定: あり。各色150本限定
武運を開く吉祥の象徴、飛翔する鳳凰をベゼルに刻んだ、職人謹製の数量限定モデルが登場
MRG-B2000KTは、MR-Gのために特別製作された日本刀の鐔「鐵鐔(くろがねつば)」をモチーフに、武具に宿る強さと美しさ、和の美意識を感じさせる造形美と色彩美を、MR-Gが追求する伝統と革新を融合したものづくりで具現化した限定モデルです。
彫金師・小林正雄氏が手がけたベゼルには、吉祥の象徴である鳳凰の意匠が彫り込まれ、工芸品のような美しさとともに、刀に宿る強く気高い武士の精神性が表れています。鳳凰の頭と尾を左右に配置した構図、肉合彫り(ししあいぼり)という伝統技法を用いた立体感のある描線により、飛翔する鳳凰の躍動感を大胆かつ精緻に表現した彫金は、一つひとつ手作業で仕上げられ、一点ものとして唯一無二の特別な表情が楽しめます。さらに、熱した鉄の素肌のような深い青緑色を表す「鐵色(くろがねいろ)」を表現するため、深層硬化処理を施したチタン素材の表面をグリーンDLCコーティングで仕上げました。
ダイアルリングにあしらったグラデーションカラーは、優雅に舞う鳳凰の美しさをイメージしています。矢がまっすぐに飛んで的を射ることから魔除けの意味が込められている矢羽根文様のダイアル、曲線形状で刀の反りを表現したインデックスなど、造形のすみずみにまでMR-Gらしい伝統美へのまなざしが感じられます。
ものづくりへのこだわりを高め合う存在として伝統職人とまなざしをともにし、工芸と時計、それぞれの領域を横断して刀剣の世界観を表現した特別仕様のMR-G。世界限定800本でお届けします。
鐵色の存在感。鳳凰の躍動感
「鐵鐔(くろがねつば)」を手がけた彫金師・小林正雄氏みずから鳳凰の装飾を施した特別誂えの彫金ベゼル。日本刀の鐔に見立てたベゼルの左右に鳳凰の頭と尾を描き分ける大胆な構図を取り入れ、肉合彫り(ししあいぼり)という技法を用いることで、立体感、躍動感あふれる吉祥を告げる鳳凰の飛来を表現しました。周囲に施した荒々しい石目模様が、威風堂々とした意匠を際立たせます。
伝統と革新を追求するMR-Gが、日本を代表する匠の技と共鳴
職人の技と感性を駆使し、鎚(つち)と鏨(たがね)のみで仕上げられる鳳凰彫金は、まさに名匠入魂の出来。手作業でひとつひとつ丹念に刻み込まれるため、ひとつとして同じものはなく、一点物としての存在感を放ちます。
彫金の下地となるベゼルの素材にはチタンを使用。鉄の焼肌に見られる暗い青緑色を表す鐵色(くろがねいろ)を、グリーンDLCコーティングを施すことで表現しました。日本の伝統色として受け継がれてきた気品ある色調が、名匠の手による鳳凰の存在感を際立たせます。
[プロフィール]
彫金師・小林正雄
滋賀県大津市で祖父の代から続く錺師の三代目。京都にて彫金を学び、彫金師としても活躍。神社仏閣の金具の制作や文化財の復元のほか、茶道具や美術工芸品など、幅広い分野の錺金具製作を手掛ける。日本を代表する金属工芸作家の一人。
絢爛の装い。吉祥をもたらす「鳳凰」の極彩色
「鳳凰」とは神話に登場する伝説の霊獣で、古来より美術、工芸に数多く描かれるなど、吉祥、高貴、至福、長久のシンボルとして尊ばれてきました。本モデルでは、その神々しい姿を彩る極彩色を、色鮮やかな配色で表現。ダイアルリングに赤から橙に移り変わるグラデーション蒸着をあしらい、絢爛豪華に仕上げました。
さらに、叡智の象徴として真実を見抜く力を持つとされるエメラルドを、ベゼルのビスに4石セット。テーマカラーの鐵色(くろがねいろ)と調和し、美しい輝きとともにその印象を深めます。
文様、色彩に宿る唯一無二の存在感
ケースの独特の文様は、刃文に見られる沸(にえ)をイメージ。純チタンを再結晶化処理することで、刀の焼き入れによって生まれる沸の煌めく美しさを表現しています。加えて、日本刀の拵えの様々なパーツの主な材料である銅の色合いをブラウンAIPで表現しました。
鉄と火が織りなす武具の強さ、美しさを、MR-Gならではのこだわりで体現しています。さらに、9時側の側面に「2025 LIMITED」のメタルプレートを配置。限定モデルならではの特別仕様に仕上げています。
※製造上の理由により、ケースの文様には個体差があります。
こだわりの色と優れた硬度を同時に叶えるコーティング技術、AIP
AIPは、アーク放電のエネルギーによって、金属材料を瞬時に気化させてプラズマ状態にし、皮膜となる元素をイオン化させる表面処理技術です。一般的なIPに比べて、高い密着性と硬い皮膜の形成が可能です。AIPの最たる特徴は、強力なエネルギーで一気に気化させ、均一で美しい皮膜をさまざまな金属の表面に形成できること。これによって、MR-Gが追求する日本特有の色彩、ひいては、豊かなカラーバリエーションを実現しています。
※AIPは神戸製鋼所の商標です。
超精密加工が生み出す、精緻なダイアルデザイン
ディテール感が際立つ彫りの深い立体造形に、日本伝統の意匠を取り入れました。ダイアルには、矢で災いを打ち破る魔除けの縁起物、破魔矢を図案化した矢羽根文様をデザイン。緩やかな曲面形状に微細な挽き目加工を施したインデックスは、鋭利な刀の反りをイメージしています。
こうしたパーツ製作に欠かせないのが、山形カシオの超精密加工技術。成形用の金型にナノレベルの加工を施すことで、エッジの効いた形状や微細な表面加工など、細部まで作り込まれたMR-Gならではの表情を生み出しています。
世界限定800本。特別仕様の証
伝統職人が手がける本モデルは、800本のみの限定生産。
裏蓋にシリアルナンバーを刻印。専用のスペシャルパッケージでお届けします。
経年劣化に強いデュラソフトラバーストラップ
頑丈なケースにふさわしいダークグリーンカラーのデュラソフトラバーストラップは変色、汚れ、経年劣化に強い特徴をもちます。古来より強さの象徴とされる毘沙門亀甲の文様をあしらったストラップは、柔らかく肌触りのよい質感によりアクティブなシーンでもストレスなく装着することができます。チタン製の中留は、ケース同様に深層硬化処理とブラウンAIPを施して、さらなる堅牢性を実現しています。
クラッドガード構造
りゅうず、ボタン部に保護パーツを組み込み、モジュールへの衝撃を緩和。
また、スマートフォンリンクと標準電波による自動時刻修正に対応。光発電で各種機能を安定駆動します。
スーパーイルミネーター
高輝度なLEDライトで暗所での視認性を向上。傷にも強く透明度が高い素材に反射防止コーティングを施し、クリアな視界を確保すます。
【仕様】
MRG-B2000KT-3AJR
メーカー希望小売価格:¥935,000(税込)
世界限定800本 シリアルナンバー入り
Bluetooth® / MULTIBAND 6 / TOUGH SOLAR /
Premium Production Line
スマートフォンアプリ
– 自動時刻修正
– 簡単時計設定
– ワールドタイム約300都市
– 時計ステータス表示
(時刻受信状況、ソーラー発電状況、内部データ更新履歴などをグラフィカルに表示。)
– セルフチェック
(時計の各機能が正常に動作するか自動診断。異常がある場合、画面表示で知らせます。)
– 携帯電話探索
– Premium Production Line生産証明書
本体機能
• 耐衝撃構造
• 耐磁時計(JIS1種)
• 20気圧防水
• タフソーラー
• スマートフォンリンク
• 標準電波受信機能(マルチバンド6)
• 針位置自動補正機能
• デュアルタイム
• ストップウオッチ
• タイマー
• 時刻アラーム
• LEDライト(スーパーイルミネーター)
• 日付・曜日表示
【お問い合わせ】
カシオ計算機 お客様相談室
TEL.0120-088925(時計専用)
90年代のアクション映画に登場する初期のモデルから直接インスピレーションを受け、特別なカラーリングとアクションに適した素材が使用されているのがわかる。
もちろん1990年代のアクション映画を見て育った方なら、このブラック&イエローのカラーリングが、1999年の映画『エンド・オブ・デイズ』でアーノルド・シュワルツェネッガーが着用した初期のロイヤル オーク オフショアに直接かつ意図的に着想を得たものであることはよくわかるだろう。この限定モデル(Ref.26420CE.OO.A005VE.01)は、現行モデルのロイヤル オーク オフショア クロノグラフをベースに、厚さ14.4mmの43mmブラックセラミックケースを採用し、ケースバック、プッシュピース、リンクにはチタンを使用している。
30年前といえば1993年だが、ロイヤル オーク オフショアはすぐにヒットしたわけではなく、アーノルドが映画で着用することに興味を持ったことが、このモデルを適切なユーザー層に認知させる役割を果たした。この点について、オーデマ ピゲのCEOであるフランソワ-アンリ・ベナミアス氏は次のように述べている。「1999年、アーノルド・シュワルツェネッガーとのコラボレーションによるロイヤル オーク オフショア エンド・オブ・デイズが、初めてこのコレクションをより多くの人々に知ってもらうきっかけとなりました。オフショアの30周年を記念して、この特別なタイムピースにオマージュを捧げることは当然の選択です」
エンド・オブ・デイズのオリジナルのリファレンスは25770SNで、多くのコレクターやマニアがロイヤル オーク オフショア エンド・オブ・デイズとして知っている。この新しいモデルは、2万8800振動/時で時を刻むオーデマ ピゲの自動巻きクロノグラフCal.4401を搭載しており、約70時間のパワーリザーブを備える。この30周年記念モデルとなるロイヤル オーク オフショア クロノグラフは世界500本限定で、価格は748万円(税込)だ。
我々の考え
僕はロイヤル オーク オフショア クロノグラフについて、90年代のアクション映画と同じような感覚を持っていると考えている。どちらも大きくて、ちょっと大げさで、超男性的で、単純にエキサイティングで楽しいと思わせるプレゼンテーションに現代のクリエイティブな能力の数々を融合させることを意図している。そのような観点から、オーデマ ピゲはこの30周年記念エディションに釘付けになったのだと思う。
カラーリング、セラミックケース、そしてペアストラップの存在が、この時計を際立たせている。僕は黒と黄色が好きなのだが(クルマや服よりも時計に関して)、もしアーノルドが現代で『エンド・オブ・デイズ』を作っていたら、ロイヤル オーク オフショアの雰囲気にぴったりなセラミックを選ぶと思うのだ。最後に、この時計には2本の“テキスタイルモチーフ”のクイックチェンジ可能なカーフレザーストラップが付属している。1本はブラックにイエローのステッチ(画像参照)、もう1本はイエローにブラックのステッチが入っている。もしあなたが後者を合わせたとしても、僕はあなたを黙認するだろう。
このロイヤル オーク オフショア クロノグラフは、モダンな雰囲気とハリウッドの歴史が融合したモデルで、銀幕の力によって“大きくてたくましい”ロイヤル オーク オフショアという概念を確固たるものにしたのだ。
基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オーク オフショア 自動巻きクロノグラフ(Royal Oak Offshore Selfwinding Chronograph)
型番: 26420CE.OO.A005VE.01
直径: 43mm
厚さ: 14.4mm
ケース素材: ブラックセラミック
文字盤: ブラック
インデックス: イエローのアクセント、アプライド
夜光: あり。針とマーカー
防水性能: 1oom
ストラップ/ブレスレット: ブラックの“テキスタイルモチーフ”カーフレザーにイエローステッチにチタン製バックル、そしてイエローのカーフレザーにブラックステッチが施されたものも付属。
追加情報: チタン製のケースバック、プッシュピース、リンク。メガタペストリー文字盤パターン。ホワイトゴールド製のAPロゴを採用。
ムーブメント情報
キャリバー: 4401
機能: 時・分表示、スモールセコンド、フライバッククロノグラフ、4時半位置に日付表示
直径: 32mm
厚さ: 6.8mm
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 40
価格 & 発売時期
価格: 748万円(税込)
発売時期: 順次入荷予定
限定: 世界限定500本
これはラ・ファブリク・デュ・タンが開発した、まったく新しいムーブメントを搭載している。プラチナケースを採用してモダンなデザインに仕上げたこのヴォヤジャーの新作は、ルイ・ヴィトン初のスケルトン自動巻きムーブメントを載せ、わずか150本と数量を絞って生産される(なお先に言っておくが、こちらのモデルはすでに完売している)。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトン
ルイヴィトンスーパーコピー時計代引きヴォヤジャー スケルトンは、ヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ ジュネーブを生み出したときと同じ発想を受け継いでおり、ベースとなる構造を削ぎ落とした、完全なるオープンワークムーブメントを搭載している。そのためマイクロローターやスケルトンのゼンマイ香箱など、ムーブメントを構成する部品のほぼすべてが鑑賞できる。
それ以外のムーブントの構成要素は、LVロゴに似たモチーフでデザイン。ブルーのミニッツトラックで囲まれ、時刻を表示するために時針と分針をセットするなど、ムーブメント(とその仕上げ)を可能な限り見せるように工夫がなされている。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトン
このブランドの中でも、特にスペシャルな作品にのみ許されるモノコックデザインのヴォヤジャーケースは、直径41mm、厚さは9mmとなっている。両面サファイアクリスタルの採用に、ユニークなラグのデザイン、そしてポリッシュとサテン仕上げ両方の要素をうまく融合させている。
文字盤を形成し、この時計の名刺代わりとなる美観は肉抜きされたCal.LV60である。この新しいムーブメントは2万8800振動/時で、約48時間のパワーリザーブを確保。そしてホワイトゴールドのロジウムメッキがなされたマイクロローターを搭載している。巻き上げは両回転で行われ、5時位置にあるゼンマイ部分が大きく開いているため、パワーリザーブ残量を視覚的に確認することが可能だ。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトンのムーブメント、Cal.LV60
LV60は、接平面に一方向へとブラッシングを施し、エッジには面取り加工をしている。ヴォヤジャー スケルトンをひっくり返すと、ブリッジの裏側に施されたサンドブラスト加工がインダストリアルな雰囲気を醸し出しているのがわかる。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトンは、プラチナ製で150本の限定生産、小売価格は739万2000円(税込、完売済み)でデリバリーされる。
我々の考え
この新しいスケルトンは、これまでヴォヤジャーケース(とその雰囲気)によって実証されてきたオートオロロジー(高級時計)プログラムの延長にあるモデルとしては、十分にわかりやすいものだ。しかもそれ自身が持つ魅力として、ヴォヤジャーラインの中でも複雑ではない(そして安価な)入門的な位置付けとして提供されることは間違いないようだ。仮定としてヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ ジュネーブ(希望小売価格は23万ドル、日本円で約3042万8000円だ)と比較が許されるのであれば確かにそう言えるだろう。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトンのリストショット
正直なところ、僕はスケルトナイズされたムーブメントがあまり好みではないのだが、これはルイ・ヴィトンとラ・ファブリク・デュ・タンがともにここまでつくり上げたものであり、実際にスケルトナイズのレベルが高いだけでなく、ムーブントに残された構成要素のデザインの意図は素直に高く評価したい。その結果、時刻を確認するもそれに夢中になり、目を離したあとに時刻を確認していなかったことに気づくような、そんな細部までデザインされた文字盤を持つ時計のひとつであるように感じる。
プラチナでできた複雑なシングルピースケースのデザインと、ブランドの真新しいムーブメントのあいだで、LVマニアが夢見るような限定モデルであることは間違いないだろう。
ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトンのリストショット
基本情報
ブランド: ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)
モデル名: ヴォヤジャー スケルトン(Voyager Skeleton)
型番: Q7EN1K
直径: 41mm
厚さ: 9mm
ケース素材: プラチナ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ネイビーブルーのアリゲーターレザーストラップとトリヨンレザーストラップの2本
ムーブメント情報
キャリバー: LV60
機能: 時・分
パワーリザーブ: 約48時間
巻き上げ方式: 自動巻き(マイクロローター)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 29
追加情報: ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンで設計、開発
価格 & 発売時期
価格: 739万2000円(税込)
発売時期: 完売
限定: あり、数量限定150本