チューダーのクロノグラフの特徴
チューダーのクロノグラフの魅力のひとつに「伝統の継承」がある。ただ昔の形を模しているのではなく、スーパーコピー時計 n級品現代の技術やデザインを取り入れ、実用性を高めたうえで継承していることが特徴だ。
歴史をたどると、どのように継承されているのかがわかるだろう。
チューダーのクロノグラフの歴史
オイスターデイト “モンテカルロ” Ref.7169/0
1971年に発表された「オイスターデイト “モンテカルロ” Ref.7169/0」は、12時間目盛りが施された回転ベゼルを備え、第2タイムゾーンの時刻を示すことが可能に。ムーブメントはバルジュー7734に代わり、振動数を2万1600振動/時に高めたバルジュー234を搭載していた。“モンテカルロ”のニックネームは、ダイアルがカジノのルーレット盤を想起させるデザインであることに由来。
チューダー初のクロノグラフは1970年に発売された「オイスターデイト クロノグラフ」。手巻き式クロノグラフムーブメントであるバルジュー7734を搭載し、オリジナリティーにあふれたデザインで人気を博した。特に独特な文字盤に特徴があり、チューダーファンの間では「ホームベース」と呼ばれている。
1971年には本体の色にブルーを初めて採用した「モンテカルロ」と呼ばれているモデルが登場。1976年、チューダーのクロノグラフはバルジュー7750を搭載して自動巻き式になり、通称「ビッグ・ブロック」が発表される。ムーブメントの変更を経て、インダイアルが3つ、日付表示窓は3時の位置になり、ダイアル上の表記から「クロノタイム」とも呼ばれた。
その後、バルジュー7750を搭載したホームベース型のインデックスを持つ「Ref.70330N」やブルーのカラーリングが印象的な「Ref.70330B」、「ファストライダー ブラックシールド」などを発売。
そして2017年には、チューダー初の自社製クロノグラフムーブメント「MT5813」を搭載した「ブラックベイ クロノ」を発表し、汎用手巻きムーブメントから自社製ムーブメントへ移行する。
自社製のムーブメント
MT5813
ブライトリングのCal.01をベースに、チューダーの高い技術を融合させて誕生したMT5813。約70時間のパワーリザーブ、耐磁性シリコンバランススプリングを備え、C.O.S.C.認定を取得している。ムーブメントの仕上げも特徴的で、一体構造のタングステン製ローターには肉抜き加工が施され、クールな表情を生み出している。
自社製クロノグラフムーブメント「MT5813」は、約70時間のロングパワーリザーブ、シリコン製バランススプリングなど、最新技術をふんだんに取り入れて開発された。また、ブラックベイ クロノは200mまでの防水性能も実現しているため、チューダーが得意なダイバーズとクロノグラフが邂逅を果たしたモデルともいわれている。
チューダーの現行コレクションで展開されるクロノグラフモデルの種類
現在、チューダーのクロノグラフモデルは、大きく分けて「ブラックベイ クロノ」と「ペラゴス FXD」の2種類が展開される。どちらも伝統を継承しつつ、新しく進化し続けるコレクションに属しており、チューダーの技術力を感じられるコレクションだ。それぞれ、どのようなモデルなのかを紹介しよう。
「ブラックベイ クロノ」
ブラックベイ クロノ
チューダー「ブラックベイ クロノ」Ref.M79360N-0001
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。81万6200円(税込み)。
60年以上もの歴史を持つ、チューダーのダイバーズウォッチ。その中にラインナップされているクロノグラフ搭載モデルが、2017年に登場した「ブラックベイ クロノ」だ。
ブラックベイのデザインにクロノグラフ機能を加え、スポーティーな雰囲気がさらにアップ。水陸を融合した新しいブラックベイの形として注目された。
特徴は厚みのあるケースや個性的なスノーフレーク針。このスノーフレーク針は、チューダー・ダイバーズウォッチを象徴するエレメントとしても有名である。
すべてのブラックベイ クロノには自社製ムーブメントCal.MT5813を搭載。45分の積算カウンターや、6時位置にカレンダーを配している。また約70時間のパワーリザーブや耐磁性シリコンバランススプリングを採用。200mの防水性能も携えた、実用性の高いモデルである。
「ブラックベイ クロノ “ブルー”」
チューダー「ブラックベイ クロノ」Ref.M79360B-0002
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。83万1600円(税込み)。
2024年、新しくラインナップに加わった、“チューダーブルー”をまとった「ブラックベイ クロノ “ブルー”」。これまで「ブラックベイ クロノ」でブルーはあまり使われてこなかった。しかし、他のコレクションではこの色を使って、巧みに洗練されたデザインを生み出していることはもちろん、チューダーは他社に先駆けてブルーを腕時計に取り入れた歴史を持つ「パイオニア」でもある。すなわちブルーによって、いっそうチューダーらしさを備えたブラックベイ クロノと言えるのではないだろうか。
また、5列リンクのブレスレットも特徴的だ。3列タイプと比べるとドレッシーな装いとなっており、一方でチューダーらしい堅牢性も備えている。チューダー独自の“T-fit”アジャスティングシステム付きクラスプによって、コマを外すことなく、ユーザーは容易に8mmの長さを5段階で調節できるのも、特筆すべき点だ。
「ブラックベイ クロノ S&G」
ブラックベイ クロノ S&G
チューダー「ブラックベイ クロノ S&G」Ref.M79363N-0007
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。200m防水。118万9100円(税込み)。
2019年にデビューした「ブラックベイ クロノ S&G」もまた、クロノグラフとダイバーズウォッチの伝統が融合したコレクションだ。
そのほかの「ブラックベイ クロノ」同様、ムーブメントはあl。MT5813を搭載している。
3時の位置には45分積算計、6時位置にデイト表示、9時位置にスモールセカンドを備え、チューダーのアイコンでもある「スノーフレーク針」を採用。200mの防水性能もあり、クロノグラフとしての性能も充実している実用性の高いモデルだ。
「ペラゴス FXD クロノ」
チューダー ペラゴス FXD クロノ
チューダー「ペラゴス FXD”アリンギ・レッドブル・レーシング”」Ref.M25807KN-0001
自動巻き(Cal.MT5813)。41石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。カーボンケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。200m防水。77万円(税込み)。
2021年、国際ヨットレースであるアメリカズカップで二度の優勝を飾ったアリンギと、F1レースで名高いレッドブル・レーシングが提携し、「アリンギ・レッドブル・レーシング」を結成した。2022年にチューダーはこのチームとパートナーシップを結び、翌年、この「ペラゴス FXD”アリンギ・レッドブル・レーシング”」を発表した。
記念モデルはチューダーが誇るツールウォッチ「ペラゴス」をベースに、さまざまな新しい試みが取り入れられている。同社初となる、ハイテクカーボンコンポジットを素材に用いているのだ。さらにこのハイテク複合素材とともに、チタン、ステンレススティールをケースに用いる。これいよって、同じくカーボン、チタン、ステンレススティールの独自の混合によって、高速で水面から跳ね上がる船体を作り上げている、レーシングヨット・AC75(アメリカズカップ75)のレーシングヨットのような、力強さと軽快さを感じさせるスタイルを獲得した。また、ストラップバーが固定されたケースにクロノグラフムーブメントを搭載したのも初であり、いっそう高い機能性を楽しめる1本と言える。
なお、このパートナーシップを記念したモデルは本作のほか、3針モデルも同時に打ち出されている。
生産終了モデルも面白い
なお、すでに生産終了してしまったが、現代チューダーのユニークなクロノグラフモデルも、併せて紹介する。
HERITAGE CHRONO
ヘリテージ クロノ
ヘリテージ クロノ
自動巻き(Cal.T401)。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。150m防水。
1970年代初期に誕生したクロノグラフモデルに着想を得た「ヘリテージ クロノ」。
約42時間のパワーリザーブを備えた機械式自動巻クロノグラフムーブメントを搭載。スモールセコンドは3時位置に、45分積算カウンターは9時位置にレイアウトされ、水深150mまでの防水性能も備えている。
ブラック&グレーダイアル、グレー&ブラックダイアルのいずれも、フォールディングクラスプ付きスチール製ブレスレット、もしくはバックル付きのファブリックストラップを選択できる点も特徴のひとつ。ヘリテージ クロノのダイアルと同様の独創的で美しいカラーを反映しているファブリックストラップは、着け心地の快適さも追求している。
HERITAGE CHRONO BLUE
ヘリテージ クロノ
ヘリテージ クロノ
自動巻き(Cal.T401)。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm)。150m防水。
ヘリテージ クロノのモデルの中にある「ヘリテージ クロノ ブルー」はその名のとおり、ダイアル部分に青色(ブルー)を採用。1971年に発売された「モンテカルロ」を彷彿させるモデルである。
タグ・ホイヤースーパーコピー時計 n級品色以外の仕様はヘリテージ クロノと同様。フォールディングクラスプ付きスチール製ブレスレットか、バックル付きのファブリックストラップも選択可能だ。
チューダーのクロノグラフの魅力
チューダーのクロノグラフは、どれを選んでも性能やデザインに遜色なく、それぞれ魅力ある印象だ。今後「ブラックベイ クロノ」「ヘリテージ クロノ」ともに、伝統の継承を取り入れたどのような新作が発表されるかにも注目したい。
オメガの広報担当者が、人気のレディースモデルを対象におすすめを選ぶ
2023年よりオメガの広報担当者の協力の下、その年の人気モデルからおすすめを選んで紹介してもらう企画。2024年版の製作もかなったので、本記事で掲載する。
「スピードマスター」や「シーマスター」など、人気コレクションを多数展開するオメガ。アイコニックなデザインや高品質かつ高性能といった美点によって、これまで何本もの時計を所有してきた時計愛好家のみならず、初めて時計を購入する若年層まで、幅広いユーザーから指示されてきた。この幅広さは、ジェンダーを問わない人気にもつながっている。オメガは同一コレクションに複数のサイズや素材、意匠をバリエーションとして加えることで、あらゆる層のニーズに応えられる製品をラインナップしていることも、強みとしているのだ。
今回はそんなオメガの、レディースにカテゴライズされたモデルに焦点を当てる。2024年によく売れたレディースモデルを対象に、広報担当者が人気傾向を分析しつつ、4つのトピックスからおすすめを選んでもらった。また、この売上は日本国内で販売されたデータから、免税分を差し引いたものとなっている。
人気のレディースオメガを買うなら①マザー・オブ・パール文字盤が熱い
オメガ コンステレーション
オメガスーパーコピー Nランク代金引換専門店「コンステレーション」Ref.131.20.25.60.55.001(左)/Ref.131.20.25.60.55.002(右)
昨年版の本企画でも紹介した、マザー・オブ・パール文字盤の「コンステレーション」。ロゴの下にあしらわれた、コンステレーションの象徴でもある星がアクセントになっている。クォーツ(Cal.4061)。(左から)SS×18Kセドナゴールドケース、SS×18KYGケース(直径25mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。各96万8000円(税込み)。
昨年版でも話に上ったが、女性から圧倒的に人気が高いのは、コレクションを問わず「マザー・オブ・パール文字盤」なのだという。これは毎年の傾向であり、オメガに限らず定番品と言って良いかもしれない。広報担当者は「長年飽きずに愛用できるし、男性がパートナーへの贈り物としても選びやすいのでは」と分析していた。
オメガ レディース
オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.34.20.05.001
フランス語で「街」や「都会」を意味する「デ・ヴィル」。中でも1994年に誕生した「デ・ヴィル プレステージ」は、ベーシックで厚すぎないラウンドケースを基調としたエレガントなスタイルとモダンで洗練された印象を両立したコレクション。ビジネスにもパーティーなどといった特別なシーンにも身に着けられる腕時計だ。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。SSケース(直径34mm、厚さ10.1mm)。3気圧防水。77万円(税込み)。
ではマザー・オブ・パール文字盤を備えた人気モデルには何があるかと言うと、「コンステレーション」と「デ・ヴィル プレステージ」が挙げられた。なお、いずれのコレクションも2023年版の記事でもTOP5にランクインしている。
オメガはメンズ・レディース問わず、非常に幅広いバリエーションを展開している。そのため同一コレクションの中のマザー・オブ・パール文字盤であっても、素材やサイズ、ストラップに違いがあることもポイントだ。定番モデルでありながらも、自分の好みや使用シーンに合わせた1本が選べるのだ。
人気のレディースオメガを買うなら②“スピマス”人気に要注目!
オメガ スピードマスター 38
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.23.38.50.02.002
直径38mmケースを持った「スピードマスター 38」。ムーンウォッチをはじめとした他の「スピードマスター」コレクションと比べて、多彩なカラーリングが展開されている。なおインダイアルとカレンダーディスクの小窓の楕円型は、過去の「デ・ヴィル」に見られた仕様から着想を得ている。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SS×18Kセドナゴールドケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。116万6000円(税込み)。
2024年のレディースウォッチの人気傾向について、広報担当者も「驚かされた」というのが、女性からも“スピマス”こと「スピードマスター」が購入されていることだ。
スピードマスターは1957年に誕生したオメガのクロノグラフモデルだ。モータースポーツ向けに製造されるものの、1962年にNASAのマーキュリー計画で宇宙飛行士ウォルター・シラーが自身で所有する同モデルを着用したことや、1962年にNASAの公式装備品となり、その後1969年のアポロ11号計画で月面着陸を果たしてから、“ムーンウォッチ”の呼び名を獲得したことで知られている。
こういった歴史やツール感ある意匠によって、“スピマス”は男性に人気のオメガウォッチである。もっとも一口にスピードマスターとは言っても、そのバリエーションはオメガらしくさまざま。現行には直径38mmケースの小径モデルもラインナップされており、女性からは、そんなサイズ感が人気なのだという。
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.30.38.50.06.001
グレー文字盤を備えたスピードマスター 38。甘すぎず渋すぎず、女性の手元でさりげなく存在感を放ってくれる1本だ。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
オメガ「スピードマスター 38」Ref.324.30.38.50.03.002
「予防可能な失明をなくすこと」を目標に、世界の医療的辺境地で眼科治療と教育を行う非営利団体オービス・インターナショナル。オメガは2011年からこの団体を支援しており、売上金の一部を同組織に寄付するためのオービス記念モデルを打ち出している。本作は、2017年に登場した、その記念モデルである。自動巻き(Cal.3330)。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
「女性にケース径38mmは大きくない?」と思われるかもしれない。しかし以前、直径42mmサイズの「シーマスター ダイバー300M パリ2024」や38mm径の「シーマスター アクアテラ シェード」を着用した女性の筆者(手首回りは14.7cm)の経験談から述べると、オメガの腕時計はケース全長がコンパクトでラグも長すぎないので、数値と反して細い手首回りでも着用しやすい。普段30mm径以下のサイズを着けているといった女性にとっては大きいと感じるかもしれないが、意外と取り回しやすいので、一度手首に載せてみてほしい。
オメガ スピードマスター
オメガ「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」Ref.311.93.44.51.04.002
宇宙飛行士たちが見た月の裏側をイメージさせる「スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン」。そのバリエーションとして、「地球から見える月の輝き」を着想減としたのが、この「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」だ。自動巻き(cal.OMEGA9300)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ60時間。セラミックケース(直径44.25mm)。50m防水。196万9000円(税込み)。
今回の取材でさらに驚かされたのが、44.25mm径の「スピードマスター ホワイト サイド オブ ザ ムーン」も、女性からの人気コレクションとして上位にランクインしているということだ。直径44.25mmケースは、男性でも大きい。しかし全長の短さやセラミックス製であるがゆえの軽量さなどが相まって、実機を触ってみると、女性でも身に着けやすいことをうかがわせる。ちなみに今回取材した広報担当者も女性で、このホワイトがまぶしい“スピマス”を着けており、かなりカッコイイ。
人気のレディースオメガを買うなら③ニュアンスカラー文字盤も熱いぞ
オメガ レディース
オメガ「コンステレーション」Ref. 131.10.28.60.60.002
2022年から展開されるラベンダー文字盤。このモデルがリリースされた際に登場した、ピンク文字盤やブルー文字盤のモデルもかわいくてオススメ。クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径28mm、厚さ8.5mm)。3気圧防水。61万6000円(税込み)。
マザー・オブ・パール文字盤が例年人気ということはすでに記した。もうひとつ、レディースオメガで注目を集めているのが、さまざまなニュアンスカラーを備えた文字盤だ。
近年の時計業界では、外装の質という点で競争が激化している。そんな競争のひとつに、文字盤の多様化がある。とりわけカラーの自由度が増しており、かつてはブラックやホワイトといった単色がメインだったこのキャンバスは、今やパステルカラーを備えたり、グラデーションを表現したりといった、多彩な顔を見せるに至っている。
そんな中でオメガもまた、このキャンバス上に独自の優美な世界を描いている。もともとバリエーションの豊富な同ブランドというだけあり、近年の文字盤カラーの豊富さは時計業界で群を抜いている。
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.28.60.10.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径27.5mm、厚さ6.3mm)。3気圧防水。46万2000円(税込み)。
(中央)オメガ「コンステレーション」Ref.131.10.28.60.60.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径28mm、厚さ8.5mm)。3気圧防水。61万6000円(税込み)。
(右)オメガ「シーマスター アクアテラ シェード」Ref.220.10.34.20.10.001
自動巻き(Cal.8800)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径34mm、厚さ11.9mm)。15気圧防水。102万3000円(税込み)。
「例えば同じ青であっても、モデルによって文字盤色の呼び名が異なるんですよ。だって、トーンが同じではないから」とは今回取材した広報担当者の言葉で、確かに同じグリーンでも、例えば上に掲載したモデルでは左から“パイングリーン”“マッチャグリーン”“ラグーングリーン”などといった名称が付いている。
そんな多彩な文字盤を持ったモデルの中で、女性に人気が高いのが最初に紹介した「コンステレーション」のラベンダー文字盤だ。ちなみに昨年版の本企画で、第3位として紹介している。一番人気のマザー・オブ・パールの中に、このモデルが売上上位として食い込んでくるのだ。
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.10.28.60.09.001
クォーツ(Cal.4061)。SSケース(直径27.5mm、厚さ6.3mm)。3気圧防水。46万2000円(税込み)。
(右)オメガ「シーマスター アクアテラ シェード」Ref.220.10.34.20.09.001
自動巻き(Cal.8800)。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径34mm、厚さ11.9mm)。15気圧防水。102万3000円(税込み)。
続いて人気なのはベージュ系だ。ベージュもまた“リネン”や“サンドストーン”などの呼び名があるのが面白い。このベージュ系には、「スピードマスター 38」のカプチーノ文字盤も並んでいる。その次に人気なのが、グリーン系だ。
さまざまなモデルの名前が挙がった中で、広報担当者に一番のオススメを聞いてみると、「デ・ヴィル プレステージ」のいずれかとの回答。「リニューアルしてから文字盤すごく凝っているのに、手頃な価格や、機械式時計なのに34mm径に抑えられたケース」が、推しの理由とのことだ。確かに高級腕時計の価格が上昇し続ける昨今、50万円以下という価格設定はありがたい。
人気のレディースオメガを買うなら④i18Kイエローゴールドの人気が復活
(左)オメガ「デ・ヴィル プレステージ」Ref.434.20.28.60.05.001
クォーツ(Cal.4061)。SS×18KYGケース(直径27.5mm、厚さ7.2mm)。3気圧防水。96万8000円(税込み)。
(右)オメガ「コンステレーション」Ref.131.25.25.60.55.002
クォーツ(Cal.4061)。SS×18KYGケース(直径28mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。140万8000円(税込み)。
定量的にデータを取ったわけではないものの、女性に人気のカラーゴールドというと、ピンクやレッドゴールドのイメージがある。店頭に並ぶレディースの時計やジュエリーを見てみても、その様相がうかがえる。
しかし2024年のレディースオメガは、18Kイエローゴールド素材が18Kセドナゴールド素材と同等の人気を見せたのだと聞いて、驚かされた。
セドナゴールドはオメガ独自のカラーゴールド合金で、レッドゴールドのような赤みを帯びつつ、経年変化に強いという特性を持つ。ちなみにセドナは太陽系の中で最も赤い小惑星から名前を由来している。従来、レディースに人気というと18Kセドナゴールドモデルが圧倒的であった。しかし昨年は、ここにイエローゴールドも並んできているというのだ。
いかにも金無垢といった発色のイエローゴールドは、ともすれば派手にもなりがちだ。しかしオメガの作り込まれた高級感ある外装にこの素材を添えることで、エレガンスの中に華やかさが生まれている。そんな調和のとれたラグジュアリー感は、大人の女性の手元をいっそう輝かせる。
時計の世界も「多様化」が進む昨今、これまでの装いとは違った1本を選ぼうとした時、こんな瀟洒なモデルは好適ではないだろうか?
時計専門誌『クロノス日本版』編集部のメンバーが数日間着用のうえ、勝手に討論する。討論は本作の外装レベルから感触、機能、ついにはカシオ製品内でのポジショニングやコレクションの将来性にまで及んだ。本作の何が、編集部をここまで熱くさせたのか? 討論会のメンバーは編集長の広田雅将、副編集長の鈴木幸也、編集部の細田雄人、そして文字起こし要員の鶴岡智恵子で行った。
G-SHOCK「MTG-B2000YBD-2AJF」
タフソーラー。フル充電時約29カ月駆動(パワーセーブ時)。SS×カーボンファイバー強化樹脂ケース(縦55.1×横49.8mm、厚さ15.9mm)。20気圧防水。18万1500円(税込み)。
村山千太:写真
Photographs by Senta Murayama
鶴岡智恵子(クロノス日本版):文
Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年5月9日公開記事]
G-SHOCKの2025年新作「MTG-B2000YBD-2AJF」を編集部で討論
細田「今回のモデルは、ステンレススティールを使ったG-SHOCK『MT-G』シリーズのセイコー スーパーコピー新作『MTG-B2000YBD-2AJF』です。MT-Gの2000系自体は定番モデルですよね。MT-Gの第3世代ですかね。カーボンコンポジットとステンレススティールの合わせ技のモデルです。昔、弊社の名畑さんが取材して、このシリーズのケース構造などを詳しく記事にしているので、
鈴木「耳の部分、いわゆるミドルケースはカーボンモノコックが外側に出てるってこと?」
細田「そうです。元々のMT-Gって、SSのケースバックとベゼルに対してインナーケースがあって、それをケースバックとベゼルで挟み込む形にしていたんですけど、MTG-B2000ではSSのフレームの中にカーボンモノコックケースを入れ込んで上からベゼルで抑えるという構造になってるんです。だからケースバックも、カーボンモノコックです」
前掲した「MTG-B2000」の開発者インタビューを行った記事に掲載されている、初代「MTG-S1000」(左)と「MTG-B1000」(右)のケースの写真。
MTG-B2000のケース構造。ベゼル、カーボンモノコックケース、ミドルケース(メタルカーゴフレーム)で構成されている。
鈴木「やっぱり、見えてる部分がカーボンモノコックなんだね。ケースバックからこの両側の耳の部分」
細田「そうです、そうです。で、MTG-B2000の中でもバリエーションがあって、今回皆さんに着けてもらったモデルはレギュラーのMTG-B2000YBDになります。純粋なカーボンコンポジットになっているだけじゃなくて、さらにブルーグラスファイバーシートで模様が出るようにしています。何のグラスファイバーなんだろう? とにかく、カーボンとグラスファイバーの合わせ技になっています」
鈴木「このグラスファイバーって厚いの? これで強度が出るの?」
細田「単純に意匠だと思います。オールカーボンのモデルもありますしね」
鈴木「デザインは面白いよね。カーボンの編み込みもあれば、層になってるものもあって。凝ってるなと思いました」
MTG-B2000YBD-2AJF
ケースサイド9時側から撮影したカット。カーボンモノコックケースにグラスファイバーによる装飾が施されている。なお、ベゼルやプッシュボタンはステンレススティール製だが、ブルーグレーIPがあしらわれており、ブラックIP加工のブレスレットとコントラストを成している。
見た目の高級感とギャップのある軽快さ
鈴木「あと、とても軽い。(SS製だが)一瞬チタン製かと思ったくらい。実際着けるとメタルな、重厚な見た目だから、より軽く感じて、その点がすごく印象に残りました」
広田「高級感もうまくなりましたよね。カシオは、ようやく『分かりやすい高級感』が出てきたと思います。具体的にはケースの仕上げ。ラグジュアリースポーツウォッチが良い例ですが、最近のお約束として、ポリッシュとサテンの仕上げを併用して高級感を出す手法があります。カシオは、かつて全面ポリッシュ仕上げという古い手法をやっていました。これは作るの大変なんだけど、ユーザーにとって分かりやすい高級感は出しにくいというのがあって、そういうのを現在のMT-Gが学んできたなというのはありますよね」
鈴木「確かに20年以上前、全面ポリッシュでSSに高級感を感じた時代はありましたよね」
細田「僕はいまだに、ブライトリングであった全面ポリッシュしたモデル、すごく良いと思いますよ」
鈴木「あれはSSの塊感に対してのポリッシュという意外性もあって、今見てもかっこいいよね。ブレゲの昔の『タイプXX』も、全面かは覚えてないけど、“ポリポリ”だったよね。自分も結構好きだけど、広田さんが言ったように、仕上げのコンビネーションによってかっこいい、立体感がある、高級感があるという表現は、“ラグスポ”と共通する巧みさを感じるよね」
広田「今の高級時計って、立体感を強調するのを重視してますからね。ポリッシュとサテン仕上げの併用というアプローチが、カシオも成熟してきた。ただ、ブレスレットのコマ同士を、少しずらせばピンが見えるところまでクリアランスを残してるっていうのは、もう少し詰められるかなと」
MTG-B2000YBD-2AJF
サテン仕上げを基調としつつ、ポリッシュ仕上げも与えることで、高級感をまとうMT-G。しかし細部には、編集部メンバーが気になる点も……?
一同、ブレスレットは「もう少し詰めてほしい」
細田「ブレスレットもSSですが、コマが中空になっていて、その中空の部分に樹脂製のパネルをはめ込む形になっています」
鈴木「ああ、この裏側?」
細田「はい。この構造は軽量化のためです。腕時計の重量は、カタログ値では131gなんですけど、(ブレスレット調整で)コマを外した今の状態では125gでした」
鈴木「ブレスの裏側に樹脂がはめ込まれているのは、(軽量化だけではなく)肌に金属が直接当たらないという点でも良いよね。隙間もできるから、汗をかいた場合にも蒸れない、良い仕様なんじゃないかな」
細田「アレルギーとかは出にくくなりますよね。ちなみに抜けているコマは、削り出しではなくMIM(金属粉末射出成形)で作っています」
鈴木「複雑な形状は型があれば作りやすいから、それは合理的だね」
細田「実はカシオは、MIMを最初に使った時、精度が高いものが作れなくて一回取り止めているんですよね。ただ、このシリーズのMTG-B2000という新世代が出るタイミングで、MIMの精度が上がったこともあり、復活しました。ちなみに昔は軽量化のために、コマに結構穴とか開けていたんですけどそういったこともなくなって、見た目的にスマートになりましたね」
MTG-B2000YBD-2AJF
ブルーのパーツが軽量化のためにはめ込まれたファインレジン。ちなみにブレスレットのエンドピース裏側に見えるつまみは、ブレスレットの着脱を容易にするためのダブルスライドレバーだ。
鈴木「広田さんの言うように、ブレスレットはもう少し詰めてほしいけど、ここを詰めると価格が上がりそうだよね。ただ、もう少し高くなっても良いかな。見た目の高級感に対しての軽さのギャップというのは非常に意外性があって面白い時計だと思うけど、率直に言うと、最初に手に持って着けた時、ブレスレットがカチャカチャするのが残念だった」
鶴岡「なぜですか?」
鈴木「どうしても安っぽく感じるよね。チタンも軽いけど、こんなカチャカチャしないし……MIMで中空に抜かれてる部分がカチャカチャ鳴るのかな? 無垢材を使ったSSのブレスであってもカチャカチャするものが昔はあって、ただそれを各社は直してきた。そう考えると、この感触は高級機にはふさわしくないかな」
細田「そうですね、カシオは『重厚感』っていう表現をブレスレットに使っているけど、重厚感はカチャカチャとは合わないですよね」
鈴木「見た目、質感の重厚感は出てるけどね。まぁ軽さを追求しているから仕方ない部分もあるけど、音はどうにかしてほしいかな」
細田「コマ同士の遊びは減らしても良いかもしれませんね」
鶴岡「この遊びって、耐衝撃性のためなんじゃないんですか?」
広田「G-SHOCKは耐衝撃性を上げるため、部品同士のクリアランスをとるというのは前提としてあります。つまり、高級時計としてのハンデが大きいんですよね」
鈴木「高級感とは相反しちゃうよね。難しいポイントですね」
細田「軽量だし、デュアルコアガード構造によってカーボンモノコックケースでモジュールを包んで中空構造にしているという点で耐衝撃性はクリアしていると思うので、ブレスレットのクリアランスをもっと詰めるのは(耐衝撃性としては)問題ないとも思いますが、どうでしょうか?」
広田「G-SHOCKは、ブレスレットも含めての耐衝撃性なんですよね。ブレスレットは衝撃に弱いから、部品同士のクリアランスを持たせるというアプローチを取ってきたけど、まだ詰められる」
細田「例えば、ジラール・ペルゴの『キャスケット』はセラミックスで製造されているけど、コマは詰めてるんですよ。ブレスレットもセラミックスだから当然ぶつかれば割れますよね。だからMT-Gと同じくブレスレットの裏側に樹脂製の素材を貼っていたんですけど、その樹脂が弾性があって。この仕様だと衝撃を吸収するし、コマ同士が当たった時に音が鳴りません。MT-Gも、弾性のある樹脂素材を検討しても良いんじゃないかな」
ジラール・ペルゴ キャスケット
ジラール・ペルゴ「キャスケット 2.0」Ref.39800-32-001-32A
2022年に発表されたキャスケット。ちなみに2024年発表モデルはチタン製だが、やはりブレスレットの裏側に弾力のある樹脂が貼られていた。クォーツ(Cal.GP03980)。セラミックス×Tiケース(縦42.4×横33.6mm、厚さ14.64mm)。50m防水。世界限定820本。完売。
MT-Gの「難しさ」
細田「チタン製のMR-Gはカチャカチャ鳴りませんが、MR-Gがあるから、MT-Gではチタンを使いにくいんでしょうね」
鈴木「MR-Gは、チタンの仕上げレベルが高くなってるしね。その点で差別化しているのは良いと思います。ただ18万1500円(税込み)という価格を考えると、見た目の重厚感や高級感を出せているだけに、手に持った時に(カチャカチャ音が鳴るのが)もったいないなと思いました。普段から高級時計を着けてる人って、見た目以上に感触を大事にしているし、そうするとMT-GよりMR-Gの方に流れちゃうかもね」
細田「MR-Gが伸びてる中で、MT-Gって立ち位置が難しいコレクションになりつつあるかな、と。高級時計を購入してきた人の普段使い用としてはMR-Gが選択しやすいだろうし、じゃあMT-Gはライトな層を狙おうってなった時、ライトユーザーが18万円以上のお金を出して時計を買うって、結構冒険だし……『フルメタル』シリーズがアンダー10万円で買えるというのも、ライトユーザーをターゲットにした時に難しい問題になりますね」
鈴木「だからこそ、カーボンモノコックケースを使っていたり、グラスファイバーを使って意匠で凝っていたりといった点はとても評価できるよね」
文字盤からも分かる高級感
細田「あと、毎度の話ですが、文字盤の質感も良いですよね。現在、さまざまな手法のソーラー発電がありますけど、このモデルは王道のポリカーボネートで、文字盤下のソーラーセルまで光を通すという典型的なもの。にもかかわらずプラスティック感が出ないようにというのは相変わらずカシオはうまいなと。ちなみに時間の見やすさは、いかがでしたか?」
鈴木「アナログだから直感的に時刻が分かるし、針も太いしインデックスも太くて立体的に見せてるから、斜めから見ても時間を読み取りやすくて、そこは問題なかった。ところで、風防にコーティングってされてるの?」
細田「内面にされています」
鈴木「そうなんだ。コーティングされている割には、斜めから文字盤を見た時、光ってしまって時間が分かりにくかったんだよね。特に強い光源だと、時間を見にくかった」
細田「ダイヤモンドカットされたインデックスが、そのあたりのキラキラ感を強調しますしね」
広田「MR-GもMT-Gも、早い段階からクォーツに太い針を載せようとしてきました。僕の知ってる限りで言うと、国産ブランドの中で、クォーツの針を太くして視認性を上げるというのは、カシオのプロトレックがいち早くやってる。(クォーツはトルクが弱いので)薄く、軽くして、面積を増やすという手法です。G-SHOCKのマッシブなデザインに合うようにしているんです」
鈴木「視認性や存在感は、他の高級時計に負けてないですよね。G-SHOCKのアナログって言うと、『AW-500』があるじゃないですか。あの頃から針は太かった。頑張ってますね」
「AW-500」は、1989年にG-SHOCK初のアナログ・デジタルのコンビネーションモデルとして誕生した。写真左がオリジナルのAW-500で、右は2020年に復刻した「AW-500E-1EJF」。どちらも完売。
広田「カシオはアナログ技術を持たなかったと言われているけど、いやいやそんなことはないぞ、と。少なくとも、トルクの弱いクォーツで太い針を回すという点では、良いことをやってきた。MT-GとかMR-Gなどの高価格帯でも、他社の高級時計と引けを取らないものを作れる理由はそこかなと。針は薄いから、理論上はたわむんだけど、多分たわんでも耐衝撃性として問題ないレベルにしているのもすごい」
鈴木「(文字盤と針との間に)十分に余白を取ってますよね。立体感を与えることで、クリアランスを気にならなくしている点も上手。インデックス、針、そして文字盤と針の間の余白を含めた立体感として、表現につなげている。耐衝撃性を持たせるために、針がたわんでも問題ないくらいのスペースを取りつつ、それが同時に審美性になっている」
ロレックスは、18Kホワイトゴールド製のオイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナに2本の新作を投入した。ひとつはホワイトマザー・オブ・パール(MOP)文字盤にオイスターフレックスブレスレット、もうひとつはブラックのMOP文字盤にオイスターブレスレットをセットしており、どちらもコントラストを反転させたMOPのインダイヤルと36個のブリリアントカットダイヤモンドをセットしたベゼルを備えている。ジェムセッティングを施した、栄光のデイトナの復活に乾杯。今回は、エキゾチックな先行モデルよりも少し控えめな印象だ。
MOP Daytona
オイスターフレックスのブレスレットを装着したバージョンは、ロレックスコピー 時計代金引換激安通販優良店ホワイトのMOP文字盤にブラックのMOPクロノグラフカウンターを備えている。この色の組み合わせは、オイスターブレスレットを装着したもうひとつのバージョンでは逆になる。つまり、ブラックのMOP文字盤に、ホワイトのMOPカウンターだ。タキメータースケールはダイヤモンドに置き換えられ、文字盤には8つのダイヤモンドと3つのクロマライト(夜光)インデックス、そしてもちろん12時位置にはコロネット(王冠)がセットされている。今作ではオイスターフレックスブレスにもロレックスのグライドロックが取り付けられていて、約2.5mm間隔のノッチが6つあり、ブレスレットの長さを約15mmまで簡単に調整することができる。
MOP Daytona
コスモグラフ デイトナには自動巻きのCal.4131(昨年発表)が搭載されており、このムーブメントはロレックスのコート・ド・ジュネーブ装飾が施されたブリッジと、カットアウトされたローターを特徴としている。Cal.4131は時・分・秒の表示に加え、クロノグラフ機能によって経過時間の基本的な計測が可能だ。パワーリザーブは最長で約72時間となっている。
我々の考え
時計の世界では、ジェムセッティングを施したデイトナがもてはやされている。そういえば、私が初めて覚えたロレックスの型番がRef.6269かRef.6270だったので、私もジェムセットデイトナ愛好家リストの上位に入るかもしれない。レインボーにレオパード、タイガーアイなどの文字盤は、大胆で勇敢な(そしてごく少数派の)私たちのために用意されたものだと思っているが、このMOP文字盤、ダイヤモンドセットの新作は、より控えめな種類のジュエリーと時計のハイブリッド的な存在のように感じられる。ロレックスはスポーツウォッチを宝石で飾る名手だ。モータースポーツの世界観と密接にリンクしたこの宝石たちは90年代のやんちゃな時代を彷彿とさせるが、ロレックスのスポーツウォッチにおける永遠のシンボルでもある。
MOP Daytona
基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: デイトナ(Daytona)
型番: 126589RBR(ホワイトMOP文字盤)、126579RBR(ブラックMOP文字盤)
直径: 40mm
ケース素材: 18Kホワイトゴールド
文字盤色: ブラック&ホワイトのMOP
インデックス: ダイヤモンド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: グライドロック付きオイスターフレックスブレスレット、オイスターブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: 4131
機能: 時・分表示、サブセコンド、クロノグラフ(12時間計&30分積算計)
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 47
クロノメーター認定: ロレックス独自の高精度クロノメーター
Daytona Movement
価格 & 発売時期
価格: ホワイトMOP文字盤は885万8300円、ブラックMOP文字盤は1010万3500円(ともに税込)
カルティエはカルティエプリヴェ コレクションの一環とし て、クラシカルなシェイプの時計をコンスタントに復刻してきた。そして今年、そのなかでももっとも古くからあるモデルのひとつが登場した。それが、カルティエ プリヴェ「トーチュ」だ。オリジナルは1912年に発表されているが、ネオヴィンテージ時代においてはモノプッシャークロノグラフウォッチとしてもよく知られていた。2024年の「トーチュ」コレクションでは、このふたつの時代の要素を取り入れ、2針とクロノグラフの両方を用意した。どちらも、カルティエファンを満足させるものとなるに違いない。
cartier tortue prive time only 2024
カルティエ スーパーコピー代金引換を激安が「トーチュ」を発表したのは1912年(フランス語で“亀”の意)で、「サントス デュモン」(1904年)を除くカルティエのあらゆるモデルよりも古い歴史を持つ。1920年代にはモノプッシャーやシングルボタンクロノグラフなどの複雑機構が搭載されるようになり、カルティエの独創的なスタイルと機械的な革新性が融合した最初の例となった。カルティエ初のクロノグラフ、「トーチュ」モノプッシャー クロノグラフは、カルティエとエドモンド・ジャガー(ジャガー・ルクルト)の合弁会社であるヨーロピアン・ウォッチ&クロック社のキャリバーを搭載した可憐なモデルだった。このような初期のクロノグラフは非常に珍しく、これまでに15本ほどしか世に出ていない。
2024年、カルティエはこの伝説的なモデルを限定コレクションとして復活させた。クロノグラフと2針モデルはどちらも、プラチナとイエローゴールドでそれぞれシリアルナンバー入りの200本限定モデルとなっている。ダイヤモンドをセットした50本限定のプラチナバージョンもあるが、これは展示ケース越しにしか見ることができなかった。
「トーチュ」モノプッシャー(フランス語でmonopoussoir/モノプソワール)クロノグラフの復活は最高にエキサイティングなニュースだ。イエローゴールドまたはプラチナのケースは43.7mm×34.8mm、厚さ10.2mmで、CPCP モノプッシャーとほぼ同じサイズである。とはいえ、ケースは若干手直しされているようで、見栄えはよくなっているように思う。ラグをよりつまむような形状になり、ポリッシュ仕上げのケースの形が若干整ったからだと推測している。
どちらの文字盤もローマ数字で構成され、大きなインダイヤルで区切られている。プラチナバージョンのインデックスは隆起してロジウムメッキが施されており、イエローゴールドバージョンのものは黒くプリントされている。針はいずれもブルーのブレゲ針だ。
cartier prive tortue monopusher chronograph gold
文字盤のデザインはどちらもよくできている。カルティエはのちのCPCPのものより、1920年代の極めて珍しい「トーチュ」モノプッシャーにインスピレーションを得ているようだ。そのデザインは、ネオヴィンテージ期のCPCPクロノグラフに比べ、よりクリーンでバランスの取れたものとなっている。どちらのケース金属でもブレゲスタイルのブルー針が取り付けられており、オパーリン文字盤と美しいコントラストを描いている。私の目には、イエローゴールドの文字盤のほうが、プラチナ単色にはないコントラストをローマ数字で表現することでうまくまとまっているように見える。カルティエは昨年の「タンク ノルマル」でも同様のモノトーンのデザインを取り入れている。そして奇しくも、プラチナよりもイエローゴールドのプリヴェのほうが2年連続で私の好みに合致した。
cartier tank monopusher chronograph caliber
このモノプッシャーウォッチのシースルーバックからは、ブリッジにコート・ド・ジュネーブ装飾を施したコラムホイールクロノグラフ搭載の新ムーブメント、自社製キャリバー1928MCが見える。振動数は2万8800振動/時(4Hz)で、パワーリザーブは44時間。この手巻きムーブメントは、時計師ヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)とドゥ・ベトゥーンのドゥニ・フラジョレ(Denis Flageolet)、そしてF.P.ジュルヌ(F.P. Journe)の3社のジョイントベンチャーであるTHAエボーシュ社が製作した1998年製のキャリバーと比べ、明らかに手直しが施されている。
特に注目すべきは、キャリバーの形状が「トーチュ」の曲線にマッチしたものとなったことだ。また、曲線的なジュネーブ・ストライプや面取りされたブリッジなど、5万ドル超のクロノグラフにふさわしい仕上げも施されている。
プラチナ製モノプッシャーの価格は897万6000円で、イエローゴールド製は778万8000円(ともに税込予価)。「トーチュ」に忠実なアップデートが施された、完成度の高いモデルとなっている。この時計に競争相手がいるのは確かだし、もっと革新的なクロノグラフもあるだろう。だが、カルティエほど美と技術を融合させることに長けたブランドはほかにない。
2針表示の「トーチュ」
一方、カルティエは「トーチュ」コレクションを補完するために、プラチナとイエローゴールドの2針モデルも同時に発表した。サイズはどちらも41.4mm×32.9mmで、昨年の「タンク ノルマル」より明らかに大きい。私はもう少し小さいほうが好みだが、カルティエとのミーティングでは、(私を含め)数人の異なるサイズの手首にちょうどよく似合っていたことは認めざるを得ない。
モノプッシャー クロノグラフ同様、両モデルともオフホワイトのオパーリン文字盤を備えている。繰り返しになるが、私はイエローゴールドバージョンに見られる黒いインデックスのほうが好きだ。しかし、これらの写真が示すように、角度によっては浮き出たインデックスがさらなるコントラストをもたらす。
CPCPの2針「トーチュ」とは異なり、これらはフラットな文字盤を持ち、ギヨシェは施されていない。ギヨシェは伝統的な技法(ロレックスの1908を参照)への継続的な取り組みを示すだけでなく、大きな文字盤を埋めるのにも貢献したはずだ。とはいえ、文字盤はCPCPのものと比べるとすっきりしており、レイルウェイトラックが文字盤の外側に押し出されている1970年代の「トーチュ」を彷彿とさせる。
どちらもカルティエがブルーのブレゲ針をケースカラーに合わせずにブレゲスタイルのブルー針を残してくれればよかった。しかし、よりシンプルなエペ針に交換せず、この針のスタイルを維持してくれたことは喜ばしい。両カラーとも、プラチナまたはゴールドのバックルが付いたアリゲーターストラップを装着。Cal.430MCはピアジェの手巻きキャリバーをベースにしたもので、振動数は2万1600振動/時(3Hz)、パワーリザーブは38時間だ。
YG、プラチナのどちらの「トーチュ」も、モダンなカルティエ プリヴェのラインナップをさらに充実させる、素晴らしいドレスウォッチである。
総合的に見て、今年の「トーチュ」コレクションは、カルティエのもっとも古いウォッチシェイプのひとつを見事にアップデートしている。1920年代、70年代、90年代と、「トーチュ」におけるあらゆる時代の要素を取り入れ、現代的でありながら歴史に根ざした作品に仕上げた。2017年以来、毎年このようなプリヴェのリリースを期待するようになったが、モノプッシャー クロノグラフの復活は、カルティエがいかにコレクターを驚かせ、喜ばせ続けているかを示す最高の例である。