IWC ブランドのシグネチャーコンプリケーションを搭載したインヂュニアが登場。

2023年に発表されたインヂュニア・コレクションが大幅に拡充される年となっています。コレクションには、小径サイズのインヂュニア・オートマティック 35や、ブラックセラミックやゴールドを採用したインヂュニアなど、新たなサイズや素材のバリエーションが広がるラインナップが登場。そのなかでも、個人的に最もIWCらしいリリースと考えているのが、このインヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41です。

パーペチュアルカレンダーとは、うるう年を含む日付を自動で調整する複雑機構のこと。今でこそ一般的なメカニズムとなっていますが、その普及のきっかけを作ったのが、IWCのパーペチュアルカレンダーでした。同社の伝説的な時計技師クルト・クラウス氏 によって開発されたムーブメントは、高い信頼性を誇り、リューズ操作でカレンダー調整が可能とする画期的な仕様。IWCコピー優良サイト1985年に発表されたダ・ヴィンチ・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー に初めて搭載され、それ以来、このパーペチュアルカレンダーはIWCを象徴する複雑機構のひとつとなっています。

インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41とインヂュニア・オートマティック 40
右から新作のインヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41と3針のインヂュニア・オートマティック 40。

1985年にはイエローゴールドケースを備えた Ref.IW9240、2013年にはインヂュニア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス 01のようなモデルも存在しました。今回のインヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41 は、ジェラルド・ジェンタが手掛けたインヂュニアSLのデザインを継承するケースデザインで登場する初のパーペチュアルカレンダーモデル となります。

インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー Ref. 9240(Photo Courtesy: Antiquorum)

インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス 01 Ref. 379201

インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41は、直径41.6mm、厚さ13.4mmのステンレススティール製ケースに、鮮やかなブルーダイヤルを採用しています。この印象的なブルーは、2024年末に登場した インヂュニア・オート魔ティック 40と同じカラーですが、ダイヤルに施された市松模様のパターンのサイズや、サブダイヤルの有無によって、わずかに異なる色合いに見えるかもしれません。

ケースはサテン仕上げを基調とし、ブレスレットやベゼルの側面、ベゼル天面の5本のスクリューなど、要所要所に鏡面仕上げが組み合わさることで、洗練されたコントラストを生み出しています。また、ブルーダイヤルに配されたサブダイヤルは中央にサンレイ仕上げが施されており、ダイヤル上のほかの装飾との質感の違いが際立つことで、デザインの奥行きを演出するとともに、高い視認性にも貢献しています。

一般的に、パーペチュアルカレンダーを搭載する時計はケースが厚くなる傾向があります。本作もケース厚13.4mmと、決して薄型とはいえませんが、そのバランスには細心の注意が払われています。IWCのデザイン部門責任者であるクリスチャン・クヌープ氏は、「インヂュニア本来のプロポーションを崩さないようにするため、デザインとエンジニアリングの両面で慎重に調整しました」と述べています。

デザインと着用感の両立のため、まずはムーブメントの選定から行われたといいます。IWCの象徴的なパーペチュアルカレンダーといえば、昨年発表されたポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 44に採用されたCal.52616のように、12時位置に北半球と南半球両方の月の満ち欠けを表示するダブルムーンフェイズや、4桁の年表示を配したレイアウトが思い浮かびます。しかし、Cal.52616は大径ムーブメントであるため、必然的にケースサイズも大きくなってしまいます。

Cal.82600はトランスパレントバックを通して鑑賞できる。

そこで、インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41にはCal.82600が採用されました。このムーブメントは、3時位置に日付表示、6時位置に月とムーンフェイズ表示、9時位置に曜日とうるう年表示を配した、より伝統的なパーペチュアルカレンダーのレイアウトを持つもので、2020年に登場したポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 42に使用されているCal.82650 からセンターセコンドを取り除いた仕様です。クヌープ氏によるとこの調整によって0.6〜0.8mmの厚みの軽減につながったといいます。

また、ケースの厚みの視覚的な部分につながる要素としてリューズの位置にも気を配ったそうで、「パーペチュアルカレンダーはモジュールを自動巻きムーブメントに載せる構造になっているため、リューズの位置がオフセンターになりがちです。特にインヂュニアはリューズガードがあるため、リューズが適切な位置にないと違和感が生じやすいのです」。

インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41 をケースサイドから見ると、自動巻きのベースムーブメントはちょうどミドルケース部分に収まり、パーペチュアルカレンダーモジュールはベゼル部分に収まるように設計されています。ムーブメントの配置が適切になるようケース内部の構造が最適化されるなど視覚的なバランスを保つことに細心の注意が払われています。

もちろん、リューズによってすべての操作が可能なため、ケースサイドには調整用のプッシュボタンや穴が一切なく、シームレスなデザインが実現されています。その結果、防水性能は10気圧を確保し、スポーツウォッチとしての実用性も兼ね備えています。また、パワーリザーブは60時間ですが、自動巻きムーブメントであることを考えると必要十分な性能と言えます。これらの要素が組み合わさることで、パーペチュアルカレンダーを搭載しながらも、日常使いに適したバランスの取れたモデルに仕上がっています。

クリスチャン・クヌープ氏とIWCのデザインチームがフォーカスした厚みを抑える設計は、単に視覚的なバランスを整えるだけでなく、着用感にもつながっていました。ケース全体のプロポーションが適切に調整されることで、時計がトップヘビーになりすぎず、手首にしっかりとフィット。さらに、一体型ブレスレットにより重量が均等に分散されるため、長時間の着用でも快適さが維持されます。ケースのサイズや手首の形状によってフィット感には個人差がありますが、こうした細部へのこだわりにより、スポーティなインヂュニアらしい実用性を損なわないように配慮されているのです。

パーペチュアルカレンダーといえば、一般的にドレスウォッチのイメージが強いかもしれません。しかし、近年では一体型ブレスレットを備えたラグジュアリースポーツウォッチのカテゴリでも、ハイエンドメゾンが注力する複雑機構となっています。僕が比較対象として真っ先に思い浮かべたのは、今年、オーデマ ピゲから発表された新型ムーブメントを搭載するロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー Ref.26674STです。直径41mm、厚さ9.5mmのステンレススティール製ケースを採用し、価格は10万9300スイスフラン(日本円で約1800万円)に設定されています。

対して、IWCの インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41 は、直径41.6mm、厚さ13.4mmで、価格は562万5400円(税込)です。オーデマ ピゲの新型パーペチュアルカレンダームーブメント Cal.7138 も、IWCの Cal.82600 も、どちらもリューズ操作ですべての調整が行える仕様となっています。ただし、IWCの場合は一度日付が過ぎると後戻りができず、修正するためには時計を一定期間放置するか、IWCに送って調整してもらう必要があります。一方、APの新キャリバーはこの点にも対応しており、自分でより柔軟な操作が可能です。

IWCの価格はAPの約3分の1に設定されていて、そのコストパフォーマンスの高さは際立っています。ブランドの個性、デザインの方向性、着用感やムーブメントの仕上げ、操作性など、何を重視するかによって評価は分かれますが、IWCのこの新作は一体型ブレスレットを備えたラグジュアリースポーツウォッチの中でも、パーペチュアルカレンダーを搭載したモデルとして非常に競争力のある選択肢となっているのではないでしょうか。

今年、同時に登場したインヂュニアのラインナップには、ローズゴールドモデルやブラックセラミックモデルも含まれています。これを考えると、今後も素材違いやダイヤルバリエーション違いのモデルが追加される可能性は非常に高いでしょう。

基本情報
ブランド: IWC
モデル名: インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41 (Ingenieur Perpetual Calendar 41)
型番: IW344903

直径: 41.6mm
厚さ: 13.4mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブルー
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール製ブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: Cal.82600
機構: 時、分、パーペチュアルカレンダー(日、曜日、月、うるう年、永久ムーンフェイズ表示)
直径: 30.385mm
厚さ: 7.77mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/ 時 (4 Hz)
石数: 46
クロノメーター認定: なし
追加情報: ペラトン自動巻き機構

パテック フィリップが40mmサイズのキュビタスが新登場。

ああ、キュビタス…パテック フィリップにとって25年ぶりとなる新コレクションである。その発表がいかに待ち望まれ、また憶測を呼んだかを語るには、“非常に”という言葉すら控えめである。昨年10月に最初の3モデルが発表された際(グリーンダイヤルにスティールケース、ブルーダイヤルにローズゴールドとのコンビケース、そしてプラチナケースにブルーダイヤルを備えたカレンダーモデル、いずれも直径45mm)、キュビタスコレクションが2024年でもっとも物議を醸すリリースとなったのは間違いない。

キュビタスは、パテックが仕掛けた4次元チェスにおける見事な一手だと評価する者もいた。一方で45mmというサイズは大きすぎる上に安直であり、角張ったデザインにノーチラスからそのまま拝借したようなブレスレット、そして個性的なケース形状にもかかわらず専用設計ではないムーブメントを搭載していると批判する声もあった。どちらの立場であろうとも、コミュニティ内で次第に共有されていった共通認識があった。それはどのみち売れるということ、そして間違いなく小型ケースのバリエーションが今後登場するだろう、ということである。

しかし多くの人が予想していなかったのは、最初の発表からわずか5カ月後に、新たな小型化されたキュビタス(複数形はキュビタイ?)が登場することであった。そう、Watches & Wonders 2025に合わせて、ミディアムサイズのキュビタスが姿を現したのである。ケース径はより現実的な40mm、ケース厚は8.5mmとなり、ホワイトゴールド製のキュビタス 7128/1Gと、ローズゴールド製のキュビタス 7128/1Rの2モデルがラインナップされる。従来の大型キュビタスモデルと同様、いずれもサンバースト仕上げのダイヤルを採用し、WGは淡いブルーグレー、RGは同系色のブラウンを組み合わせたカラーリングとなっている。

ダイヤルに合わせて水平のエンボス模様を施した自動巻きCal.26-330 S C/434は、スクエア型のケースバックに収められ、ハック機能を備える。両モデルとも、それぞれの貴金属製ブレスレットが組み合わされ、ロック可能なアジャストメントシステムと、パテックによる特許取得済みの4つの独立した爪で固定されるフォールディングクラスプを搭載する。

7128/1Gおよび7128/1Rの価格はともに1213万円(税込)だ。

我々の考え
小型のキュビタスを望んでいた人々にとっては、“願えば叶う”といったところだろう。それも、かなり早く叶ったようである。このプロダクトラインにおける戦略展開は個人的に興味深い。というのも、通常であればこうしたバリエーションの追加はもう少しあとに行われ、最初の3モデルにある程度スポットライトを当て続けるものだと考えていたからだ。そもそもこの5カ月のあいだに、最初の3モデルは一体どれほど納品されたのだろうか?

物議を脇に置き、純粋にプロダクトとしてこの2モデルを見るならば、小型化によってキュビタスのやや無骨なフォルムに、ほんのりとエレガンスが加わったといえるだろう。おなじみのパテックらしいダイヤルカラーを採用したこの2モデルは、プロダクトとしても所有する時計としても間違いなくより安全な選択肢である。だからこそこれらは少し遅れて登場したのかもしれない。まずは賛否両論を呼ぶ新しいコンセプトで注目を集め、そのあとにこの2モデルを登場させれば、むしろ普通に見えるというわけだ。

パテックは商品説明のなかで“すべての手首にフィットするように設計した”と述べているが、これは元のモデルが大きすぎたことを、ある意味暗に認めているのではないかと思わせる。はたしてこれらがファミリーのなかで、よりドレッシーな存在となるのかどうか…それは、実際に手に取って確かめるしかない。

今後数日にわたってお届けするWatches & Wondersの最新情報にもぜひ注目して欲しい。すべての新作情報は、こちらで随時チェックできる。

基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: キュビタス(Cubitus)
型番: 7128/1G(ホワイトゴールド)/7128/1R(ローズゴールド)

直径: 40mm
厚さ: 8.5mm
ケース素材: ホワイトゴールドまたはローズゴールド
文字盤: 水平エンボス仕上げのブルーグレーまたはブラウン
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ロック機構付きアジャストメントシステム搭載ブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: 26-330 S C/434
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
直径: 27mm
厚さ: 3.59mm
パワーリザーブ: 最小35時間~最大45時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 30
追加情報: ジャイロマックステンプ、スピロマックスヒゲゼンマイ搭載

価格 & 発売時期
価格: 1213万円(税込)
発売時期: パテック フィリップ正規販売店
限定: なし

ジャガー・ルクルトは2025にて新作およびアップデートされたモデルの数々を発表した。

ブランドの人気モデルレベルソ・トリビュート・スモールセコンドのモノフェイスとデュオフェイスのバリエーションだ。モノフェイスには、18Kピンクゴールド製の新モデルが登場している。ケースと同素材で仕上げられたピンクゴールド製のミラネーゼブレスレットが組み合わされ、エレガンスが際立つ仕上がりだ。一方、トラベルユースにも適したデュオフェイスには、ホームタイム用のダイヤルとしてブラックとブルーの2色が用意されている。これらの新作は、1930年代に誕生したレベルソのオリジナルデザインに現代的なアレンジを加えたものだ。ジャガー・ルクルトはこの唯一無二のレベルソの魅力を、今なお巧みに広げ続けている。

レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド Ref.Q713216J
まずはレベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド Ref.Q713216Jから紹介しよう。この新作は、現在カタログにラインナップされているスティールおよびピンクゴールドの既存モデル群に加わる形で登場したものだ。今回の大きな変更点は、ピンクゴールドのダイヤルにグレイン仕上げを施していること、そして同素材のピンクゴールド製ミラネーゼスタイルブレスレット(スライディングクラスプ付き)が組み合わされたことにある。スペックの詳細は下記に記すが、このモデルのサイズは横27.4mmで厚さは7.56mm、ラグ・トゥ・ラグは45.6mmで、ムーブメントにはジャガー・ルクルト製の手巻きCal.822を搭載し、パワーリザーブは42時間を誇る。

このピンクゴールド尽くしのレベルソ Ref.Q713216Jは限定生産ではなく、価格は642万4000円(税込)となっている。

レベルソ・トリビュート・デュオフェイス・スモールセコンド Ref.Q398847J/Ref.Q3988481
続いて紹介するのは、レベルソにおいて実用的な1本であり、僕のお気に入りでもあるデュオフェイスだ。このモデル最大の特徴は、表と裏にふたつの文字盤を備えていること。つまり“1本でふたつの時計を持つ”ような感覚が楽しめる構造になっている。それぞれのダイヤルに異なるタイムゾーンを表示できるため、たとえば旅先ではケースをくるっと反転させて現地時間に合わせ、自宅の時間を知りたくなったときはもう1度裏返せばいい。

新しいデュオフェイスでは、ブルーとブラックのいずれかのローカルダイヤルを選ぶことができ、裏返せばどちらもシルバーのダイヤルが現れる。

今回発表された2モデルはジャガー・ルクルトの既存コレクションに近いデザインを持ちながら、同一設計のケースに異なるカラーバリエーションを取り入れている。また、それぞれのダイヤルには新しい仕上げが施されており、2025年モデルとして現行品との差別化が行われている。まずはブラックダイヤルのモデル(Ref.Q398847J)を見ていこう。ローカルタイム用にブラックダイヤル、ホームタイム用にはシルバーダイヤルを備えており、後者には24時間表示も加わっているため、AM/PMを取り違える心配もあまりない。

もしブルーのほうがお好みなら、Ref.Q3988481が同様の仕様でありながらローカルダイヤルにブルーを採用している。両モデルともサイズは横28.3mmで厚さが10.34mm、ラグ・トゥ・ラグは47mmで、ダイヤルカラーに合わせたカーサ・ファリアーノのデザインによる交換用ストラップが付属する。ムーブメントはいずれもジャガー・ルクルト製の手巻きCal.854を搭載しており、42時間のパワーリザーブを備えるほか、デュアルタイム表示と24時間表示に対応している。

これら2本のスティール製デュオフェイス・スモールセコンド(Ref.Q398847JおよびRef.Q3988481)はレギュラー展開されており、いずれも価格は212万9600円(ともに税込)となっている。

我々の考え
レベルソには、誰もが抗えない何か特別な魅力がある。そこにジャガー・ルクルトの確かな時計製造技術が加わることで、レベルソは時計界において唯一無二の体験を提供してくれる(僕自身も、そう感じているひとりだ)。

今回の新作は既存のレベルソコレクションのフォーマットを拡張したような位置づけではあるが、どちらのモデルもとてもよく仕上がっていると思う。個人的にレベルソにブレスレットを組み合わせるという発想が大好きだし、そこにあの美しいグレイン仕上げのダイヤルが加わることで、18Kローズゴールドの新しいモノフェイスは非常に魅力的な1本に仕上がっている。もちろん価格もなかなかのものだが、見れば納得、というやつだ。

そしてデュオフェイスについてだ。どちらのバリエーションもとても好みだが、僕はたぶんブラックダイヤルを選ぶだろう。裏面のシルバーダイヤルとのコントラストがより映えると感じるからだ。1本の時計で、まるで2本の時計を持っているかのような構成。それでいて見た目はシンプルでドレッシー。機能的でありながらエレガントで、そこにはさりげない華やかさもある。そんな絶妙なバランスこそが、この時計の魅力だと思う。

2025の最新情報は、今後数日間にわたって引き続きお届けする予定だ。新作情報をチェックするなら、こちらをお見逃しなく。

基本情報
ブランド: ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)

モデル名: レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド(Reverso Tribute Monoface Small Seconds)
型番: Q713216J
直径: 27.4mm
厚さ: 7.56mm
全長: 45.6mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド
文字盤色: ゴールド(グレイン仕上げ)
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: スライディングクラスプ付き18Kピンクゴールド製ミラネーゼブレスレット

モデル名: レベルソ・トリビュート・デュオフェイス・スモールセコンド(Reverso Tribute Duoface Small Seconds)
型番: Q398847J(ブラック&シルバー) / Q3988481(ブルー&シルバー)
直径: 28.3mm
厚さ: 10.34mm
全長: 47mm
ケース素材: スティール
文字盤色: ブラック&シルバー/ブルー&シルバー
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: カーサ・ファリアーノ製のカラーコーディネートされた交換用ストラップ2本、インターチェンジャブル仕様のダブルフォールディングクラスプ付き

タグ・ホイヤーによるフォーミュラ1の復活、新作ウォッチの全ラインナップを紹介。

タグ・ホイヤーの新しいフォーミュラ1モデルを実際に目にしたときほど、それを実感したことはなかった。

もっとも、これらは突然登場したわけではない。正当に評価すべき点として、この数年でタグ・ホイヤーはコレクター向けのヘリテージと、それ以外の顧客に向けた現代性とのバランスをうまく取り始めたように思う(たとえばグラスボックス カレラやあえて言わせてもらえば我々HODINKEEとのシーファーラーコラボのような取り組み)。そして今回、1986年のフォーミュラ1デザインが復活したことで、久々に“本当のリバイバル”と言えるものを見た気がする。しかもカラーと素材の組み合わせは全部で9種類に及ぶ。

Original vs new
新しい38mmケースとオリジナルの35mmケース。

タグ・ホイヤーのブースに入って新作をチェックし始めた途端、色とりどりの新作モデルのすぐ隣に、オリジナルのフォーミュラ1が収められたボックスがあることに気づいた。両者を見比べて、まず真っ先に目に飛び込んできたのはサイズ感だった。オリジナルは35mmという小振りなケースサイズだったが、新作フォーミュラ1は38mmにサイズアップされていた。当初は少し心配になった。この変更で、あの魅力が薄れてしまうのではないかと。何しろ、昨年のKithとのコラボモデルでは、サイズを35mmのまま維持していたのだから。だがひとつ手に取って腕につけてみた瞬間、その不安は吹き飛んだ。現代のユーザーにアピールするには、これが正解だったと言えるだろう。それでいて全体としてはしっかりコンパクトにまとまっている。

新作フォーミュラ1の発表当日、オンライン上ではさまざまな議論が巻き起こっていた。なかでも多く語られていたのが、“これらはプラスチック製の時計”という点だ。正直なところ、実物を見る前はその印象が自分のなかにも少なからず残っていた。ただすべてを一堂に見てみると、それが完全な誤解であったことに気づいた。実際、9モデルのうちバイオコンポジット素材(ブランドがTH-ポリライトと呼んでいるもの)を使ったケースを持つモデルは3本にすぎず、しかもこれらにはインナーケースと裏蓋にステンレススティールが使用されている。残る6本はすべてSS製のケースで、そのうちブラックカラーのモデルにはDLC加工がされていた。さらに全モデル、SS製のねじ込み式でないリューズを備えており、防水性能は100mとなっている。

ケースやベゼルのカラーに合わせた、あるいはそれらに対応するラバーストラップや先述のSSブレスレットが用意されている。サンドブラスト仕上げのSSブレスは堅牢で、この価格帯の既存のタグ・ホイヤーに期待される品質そのものだ。ただひとつ残念だったのは、クラスプに刻まれたモダンなTAG HEUERという文字。このコレクションが持つ独自のデザイン言語に対して、意外なほどシンプルすぎる印象を受けた。その点、ラバーストラップにはしっかりと力強いデザイン性が息づいている。オリジナルモデルをほうふつとさせる、ブランドのシールドロゴが大胆に成形されており、視覚的なインパクトが強い。バックルはヘアライン仕上げまたはDLC加工のSS製ピンバックルが用いられ、ストラップには多くのサイズ穴が開けられているため非常に幅広い手首サイズに対応できるだろう。

このフォーミュラ1デザインにおける最大の技術的アップデートは、もちろん新たに搭載されたソーラーグラフムーブメントである。ソーラーグラフ TH50-00キャリバーは、同種の競合機に比べてやや高めのスペックを持ち、光に当てずとも最大で10カ月間の連続駆動が可能とされている。同キャリバーは数年前、アクアレーサーのケースに初めて搭載されたもので、開発にはシチズングループ傘下のラ・ジュー・ペレが関わっている。言うまでもなく、エコ・ドライブに代表されるグループの豊富なソーラー駆動技術が活かされているのだろう。タグ・ホイヤーによれば、太陽光に2分間当てるだけで1日分の駆動時間を確保でき、バッテリー寿命は15年に及ぶという。

ソーラーグラフ キャリバーが太陽光を取り込めるように、新しいフォーミュラ1 ソーラーグラフのダイヤルは半透明になっている。そのため、少なくとも今回の初期リリースにおいては往年のような夜光塗料を全面に塗布したダイヤルが採用されなかった理由もうなずける。とはいえダイヤルの仕上がりは上質で、ダークカラーはマットな質感、ホワイトはわずかにアイボリーがかった色味となっている。そこに新しいアプライドインデックスが加わることで、全体のデザインに繊細さが生まれている。手首に巻いたとき、これがソーラー駆動の時計だとはまず気づかないだろう。ケースサイズの拡大もダイヤル面積を広く取ることで太陽光の受光効率を高めるうえで、ひと役買っているに違いない。

というわけで、今回のプロダクト全体としては非常に完成度が高いといえる。ブランドにとって最も楽しく、ノスタルジックなデザインのひとつをうまく生かし、それを現代的にアップデートした内容には納得感がある。何より重要なのは装着感がよいという点だ。正直、グリーンのモデルはその場で購入したくなるほど魅力的だった。もしそれが、多くのモデルが年間を通じて複数のグランプリ開催週末にあわせて発売されるリミテッドエディションでなければの話だが。はあ。どうやら7月まで待つしかなさそうだ。

さて、価格について触れておこう。タグ・ホイヤーはラバーストラップ仕様のフォーミュラ1を26万9500円に、ブレスレット仕様を28万6000円(ともに税込)に設定している。この時計の価値についてどう評価するかは人それぞれだが、少なくとも価格帯としては現在のタグ・ホイヤーのクォーツモデル全般としっかり整合しており、ブランドの歴史のなかでも非常に特徴的なデザインをうまく引き継いでいることを考えれば十分に妥当な設定といえるだろう。

現在のフォーミュラ1ラインで異なるのは、その意図である。オリジナルのフォーミュラ1を手がけたデザイナー、エディ・バーゲナー(Eddy Burgener)氏へのインタビューでジェフ・スタイン(Jeff Stein)氏が語っているように、1986年当時のフォーミュラ1は、明るくカラフルなスイス製ウォッチとしてあらゆる機能を備えたカシオに対抗すべく設計されたものであった。そして2025年の今、フォーミュラ1は明確にラグジュアリーウォッチのカテゴリーに属している。それでもタグ・ホイヤーにおける入門モデルという立ち位置は、今なお健在だ。だが、それこそがノスタルジアの持つ諸刃の剣でもある。アイコニックなデザインが愛情を込めて記憶される一方で、かつての5桁円の価格もまた、人々の記憶に残っているのだから。

リミ フゥ(LIMI feu)から、2025年秋冬の新作ウィメンズウェア&アクセサリーが登場。

ほつれ加工の穴あきシャツ&スカート
クラッシュストライプ・ブラウス 105,600円、クラッシュストライプ・ワンサイドドレープスカート 103,400円
クラッシュストライプ・ブラウス 105,600円、クラッシュストライプ・ワンサイドドレープスカート 103,400円
注目は、全体にほつれ加工を施した、シャツとスカート。柔らかく軽やかなストライプ生地をベースに、フラワーモチーフのレースを組み合わせ、さらに穴が開いたような加工を施すことで独特の雰囲気を演出した。

シャツは肩回りを立体的に見せるフランジ・ショルダーを採用し、タイトな身幅と袖でスタイリッシュに仕上げている。一方スカートは、片側に2段のドレープを取り入れたアシンメトリーなシルエットが特徴だ。

2枚重ねデザインのジャケット
レイヤードジャケット 118,800円
レイヤードジャケット 118,800円
ジャケットは、まるで2枚のジャケットを重ね着したようなユニークなデザイン。大きく折り返した襟と後ろ身頃のセーラーカラーがフェミニンなムードを醸し出す。ポケットや肩部分など随所に断ち切り仕様を採用し、自然なほつれをアクセントとして取り入れた。

溢れる装飾つきサングラス
サングラス 30,800円
サングラス 30,800円
また、ブラックフレームのサングラスもラインナップ。フレーム右側には“架空の生物”、左側には涙と炎が融合したようなモチーフを、シルバーカラーの装飾でデザイン。まるでフレームからこぼれ落ちるような仕上がりが印象的だ。UVカット率は99.9%と機能性にも優れ、強い日差しの中でも目をしっかりと保護してくれる。

“ベルト風”カチューシャ
ハトメカチューシャ 13,200円
ハトメカチューシャ 13,200円
太めのカチューシャは、マットな質感のレザーとクロコダイル柄を型押ししたレザー、そしてバックルを組み合わせた、まるでベルトのようなデザインがポイント。縁に沿ってシルバーのハトメを連ね、レザーコードでぐるりとステッチを施している。カラーはモードなオールブラックのほか、素材の切り替えやレザーコードが引き立つレッドとベージュも揃えた。

7本のベルト付きブーツ
ブーツ 90,200円 サイズ:23cm、24cm、25cm
ブーツ 90,200円
サイズ:23cm、24cm、25cm
さらに、7本のベルトが印象的なハイカットブーツも登場。このベルトは、シルバーのDリングを備えており、フィット感を細かく調整が可能。斜めにカットされたトゥチップと螺旋状にデザインされた履き口も目を引くポイントだ。

【詳細】
リミ フゥ 2025年秋冬ウェア&アクセサリー
発売日:2025年7月18日(金)
取扱場所:ヨウジヤマモト 2 / リミ フゥ 伊勢丹新宿店 / 三越銀座店 / そごう横浜店/ 静岡伊勢丹店 / 名古屋三越栄店 / JR京都伊勢丹店/ 高島屋大阪店 / 大丸梅田店 / ワイルドサイド ヨウジヤマモト 大阪 / 大丸神戸店 / 公式オンラインストア ザ ショップ ヨウジヤマモト リミ フゥ
アイテム例:
・クラッシュストライプ・ブラウス 105,600円
・クラッシュストライプ・ワンサイドドレープスカート 103,400円
・レイヤードジャケット 118,800円
・サングラス 30,800円
・ハトメカチューシャ 13,200円
・ブーツ 90,200円